スピッツベルゲン(Spitzbergen)—スヴァールバル諸島最大の島の概要

スピッツベルゲン島の地理・歴史・居住地ガイド。気候・野生動物・観光スポット、アクセス情報までスヴァールバル最大島の全貌をわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

スピッツベルゲン(Spitzbergenとも表記される)は、スバールバル諸島で最も大きな島です。1965年までは公式に「西スピッツベルゲン島」と呼ばれていました。島名「東スピッツベルゲン」は、群島で3番目に大きい島であるエッジオヤのために一時的に提案された名称です。

地理と面積

スピッツベルゲン島の面積は約39,000 km²(およそ15,000平方マイル)で、南北に約380 km、東西に最大約220 kmに及びます。島の多くは山地と深いフィヨルドで刻まれており、島の約60%が氷河に覆われています。最高峰はニュートン・トッペン(Newtontoppen、標高約1,717 m)で、長い氷河や険しい山稜が特徴です。

気候と自然環境

気候は典型的な北極圏の海洋性気候で、北大西洋からの暖流(北大西洋海流)の影響で同緯度の大陸内部に比べてやや緩和された冬を迎えます。それでも冬期は厳しく、極夜(冬)と白夜(夏)がはっきりと現れます。沿岸部にはツンドラが広がり、植生は低木やコケ、地衣類が中心です。野生動物はシロクマ、トナカイ、キツネ、海鳥(ウトウなど)が生息し、海域ではクジラ類も見られます。

定住地と人口

スピッツベルゲンには常時居住する集落がごくわずかしかありません。主な居住地は以下の通りで、人口は増減があるためおおよその数値です。

  • バレンツブルク 約500人(ロシア/ウクライナ系の居住者が多い)
  • ロングイェールビーン、スヴァールバル諸島の主な中心集落で行政・商業・空港を有し、約2,400–2,500人が暮らす
  • Ny-Ålesund(ニー・オールスン)— 国際的な科学研究基地、常駐研究者や技術者で約30–35人
  • スベアグルーヴァ(Sveagruva)— かつての鉱山町で、多くはロングイェールビエンから通勤していた。近年は鉱山操業の停止などで常住人口は大幅に減少

また、ピラミデン(Pyramiden)などの旧ソ連系炭鉱町や、その他多数の鉱山集落が放棄され、遺棄された建物や施設として残っています。

保護・法的地位

スピッツベルゲンを含むスヴァールバル諸島は、スヴァールバル条約(1920年)によりノルウェーの主権下にありますが、締約国の国民に対しては等しい経済活動の自由が認められるなど特殊な地位にあります。自然保護区域や国立公園が多く設けられており、野生生物や脆弱な環境の保護が重視されています。

観光・研究

ロングイェールビーンには空港(ロングイェールビーン空港)があり、観光や研究の拠点となっています。夏季を中心にクルーズや野生動物観察、氷河ツアー、犬ぞり体験などの観光が行われ、Ny-Ålesundは北極研究の国際拠点として多くの研究者を受け入れています。外出時はシロクマに遭遇する可能性があり、地域のルールやガイドラインに従うことが重要です(場合によっては保護対策や適切な装備が必要となります)。

補足

スピッツベルゲンは地理的・環境的に特異で、気候変動の影響が早く現れる地域の一つです。訪問や研究を行う際は現地の規則、保護区の制約、および安全対策を事前に確認してください。

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