主語(文法)とは:定義・例文・種類・論理主語との違い
主語の定義・役割を例文と種類でわかりやすく解説。論理主語との違いや主語のない文、判別法まで実例でスッキリ理解。
文法上の主語は、次のような能動文における代理人(「実行者」)である。アランはジェーンにキスをした。
主語(定義)
主語とは、文の中で動作や状態の「担い手」や「話題の中心」を示す成分です。多くの場合、日本語では格助詞がやはで示され、述語(動詞・形容詞・名詞+述語要素)が述べる内容と結びつきます。例:アランはジェーンにキスをしたでは「アラン」が動作の担い手(主語)です。
論理主語(意味上の主語)との違い
しかし、難点があります。次の2つの文章は、意味が同じです。
- 子供たちが植樹をしました。
- 子どもたちが植えた木があります。
最初の文だけ、our childrenが文法的な主語になっています。つまり、論理的な主語と文法的な主語は違うのです。p996
ここで重要なのは、論理主語(意味上の主語・行為者)と文法主語(統語上の主語)が必ずしも一致しないことです。上の例では「植える」という行為をしたのは「子どもたち」で(論理主語)、しかし「子どもたちが植えた木があります」では文法上の主語は「木」であり、子どもたちは「木」を修飾する語句になっています。
主語が明示されない・省略される場合
また、主語がない文も多く、例えば
- こっちへ来い!
- 泥棒の特定には時間がかかるかもしれません。
命令文や会話文では主語が省略されることが非常に一般的です(プロドロップ)。命令文こっちへ来い!では主語「あなた」が省略されています。また泥棒の特定には時間がかかるかもしれませんのように、行為の主体が明示されず客観的な事実や状態を述べる文もあります。英語の「it takes time」に相当する構文で、日本語では形式的な主語を置かずに述語中心で表現することが多いです。
主語の見つけ方と判定テスト
- 助詞を見る:最も一般的なのはが(主格)やは(話題化)。「誰が?(何が?)」と問うと答えになる語が主語であることが多い。
- 述語との関係:述語が述べている事柄の「担い手」は主語である。動作をする主体なら論理主語、統語上の主語は述語と語順・助詞の関係で決まる。
- 語順:日本語はSOV型(主語-目的語-述語)が基本だが、省略や話題化で柔軟に変わるため、助詞を手掛かりにするのが確実。
- 置換テスト:当該語を代名詞に置き換えて自然に読めるか、疑問詞で問い得るかなどで判定する。
主語の種類(役割による分類)
- 実行者(エージェント):動作を行う主体。例:太郎がケーキを作った(太郎=実行者)。
- 被験者・受益者(患者・テーマ):動作の対象や状態の中心。受身文ではこれが文法主語になる。例:ケーキが太郎に食べられた(ケーキ=被験者)。
- 経験者(エクスペリエンサー):感覚や感情を経験する主体。例:私は悲しい(私=経験者)。
- 形式主語(形式的主語):文法上の位置を占める「それ」「あれ」など。英語の「it」や「there」に相当する働きをすることがあるが、日本語では省略されることが多い。
- 論理主語:意味的に行為を行った主体。文の統語構造上は主語でない場合がある(前述の「子どもたち」など)。
受動・使役での主語の移動
受動文や使役文では、論理主語と文法主語のずれが生じやすい例が見られます。
- 能動:アランはジェーンにキスをした(アラン=文法主語=行為者)
- 受動:ジェーンはアランにキスされた(ジェーン=文法主語=被害者、アランはにで示される行為者)
このように、同じ出来事でも文の焦点や主語は文の形によって変わります。
述語について
文に主語がある場合、文の残りの部分は述語と呼ばれます。述語は動詞・形容詞・名詞+述語的要素(である・だ)などから成り、主語がどうであるか、何をするかを記述します。例:子どもたちが植樹をしましたでは「植樹をしました」が述語です。
まとめ
- 主語には文法的主語と論理的主語があり、必ずしも一致しない。
- 日本語では助詞(が/は)が主語を示す主要な手がかりだが、話題化や省略で見つけにくくなる場合がある。
- 命令文や会話では主語が省略される(プロドロップ)。
- 受動文や使役文では主語の役割が変わるため、意味(誰が行為をしたか)と統語(文法上の主語)がずれることがある。
疑問や具体的な文の解析例が必要であれば、解析してほしい文を示してください。主語の見つけ方や役割を個別に説明します。
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