概要

テライ(Tarai とも綴る)は、ヒマラヤ山麓の南縁に沿って広がる、低地の湿地、冠水草原、肥沃な沖積平野からなる地域である。北は高地の丘陵地帯、南はより乾燥した平野に挟まれた独自の生態域を形成し、インド北部の一部とネパール南部にまたがっている。一般には、西のヤムナー川付近から東のブラマプトラ川の氾濫原に至る湿地帯の細長い帯を指す。

地理と自然的特徴

テライは、浸透性の高い砂礫地として知られるバーバル帯のすぐ下に位置し、広大なガンジス平原の北側に直接接している。ヒマラヤから流れ下る河川が土砂を堆積させることで形成され、広範な湿地、三日月湖、季節的に冠水する農地が生まれている。歴史的には、広い範囲が背の高い草やサル林を伴う沼沢地であり、周期的な洪水と高い地下水位がこの地域の特徴であった。

生態と主な特徴

この地域は、湿潤で亜熱帯的な環境に適応した多様な動植物に支えられている。湿地植物、丈の高い草原、河畔林は、大型哺乳類、多数の鳥類、水生生物の生息地となる。山地と平野の移行帯にあるため、テライは渡りをする種にとっても、森林と湿地の両方に依存する生物多様性にとっても重要である。

人間による利用と開発

何世紀ものあいだ、テライは季節的なマラリアと厳しい地形のために人口がまばらだった。過去100年ほどの間に、排水、灌漑、農業開発によって湿地の大部分が農地や集落へと変わった。現在では、米やサトウキビなどの主要作物の栽培に広く利用され、土壌が肥沃で水が豊富なことから、人口の密集した農村と都市化が進む町を支えている。

保全、課題、区分

農業、インフラ、定住地への転用により、自然の湿地は減少し、水文環境も変化してきた。保全の取り組みは、残された森林帯、湿地、野生生物の回廊を守ること、そして洪水と地下水を持続的に管理することに重点を置いている。テライは、直近北側の高地帯であるバーバルと、南側のより広いガンジス平原とあわせて論じられることが多く、山地と低地平野の間の緩衝帯としての独自の湿地性を強調する際に用いられる。

要約と重要性

テライは、ヒマラヤ起源の河川が流速を落として肥沃な土壌を堆積させ、農業、生物多様性、地域住民の生計を支える湿地を維持する、高い生態学的価値と人間的な重要性をもつ地域である。その国境を越える広がりは、インドネパールの双方における地域の環境・開発計画の焦点となっており、河川系はブラマプトラ流域やヒマラヤの山地を含む、より大きな水系ともつながっている。