『夜の言語』:アーシュラ・K・ル=グウィンのファンタジー&SFエッセイ集

『夜の言語』:アーシュラ・K・ル=グウィンのエッセイ集。ファンタジー&SFの本質、創作論、代表作の背景を鋭く読み解く必読の批評集。

著者: Leandro Alegsa

『The Language of the Night: Essays on Fantasy and Science Fiction』は、アーシュラ・K・ル=グウィンが執筆したエッセイ集で、カナダの批評家スーザン・ウッド(Susan Wood)が編集を担当しました。初版は1979年に刊行され、以後長く読み継がれている作品です。1992年に新版が出され、収録エッセイの選定や序文・補注の追加により読みやすさが向上しました。収録は24篇前後のエッセイで、日記的エッセイ、書評、講演・受賞スピーチ、学術的な批評に近いものまで幅広く含まれています。

内容と主要テーマ

本書は、ル=グウィン自身が長年にわたり執筆してきたファンタジーとサイエンス・フィクションに関する論考を集めたもので、創作と批評の両面からジャンルを深く考察しています。主なテーマは次の通りです。

  • 創作論・技術論:物語の語り方、言語とイメージの関係、想像力の働かせ方について実践的かつ示唆に富む洞察が示されます。
  • ジャンル観:アメリカにおけるファンタジー観や、サイエンス・フィクションの長所と限界、ジャンル間の誤解や偏見に対する反論が展開されます。
  • 児童文学と若年層向け作品:児童文学の独自性と重要性、子どもに向けて語る際の倫理や表現の問題が論じられます。
  • 代表作の背景と解説:ル=グウィン自身の主要な長編作品(たとえば『ゲド戦記』や『闇の左手』)が生まれた文脈や思想的背景についての言及もあります。

文体と論旨の特徴

ル=グウィンの批評は、学究的でありながらも平易で読みやすく、詩的感性と論理的検討が同居しているのが特徴です。個人的な経験や作家としての実践に根ざした具体的な例を挙げつつ、言葉の選び方や物語の倫理に関する普遍的な問いへと読者を導きます。タイトルにもなっている「The Language of the Night(夜の言語)」という概念は、彼女がファンタジーの本質を語る比喩として繰り返し用いる重要なモチーフです。ル=グウィン自身は次のように述べています(日本語訳):

「私たちは昼間に生きていると思いたいが、世界の半分はいつも暗い。ファンタジーは詩のように夜の言語を話す」

受容と影響

出版後、本書は作家や研究者、熱心な読者たちの間で高く評価される一方、収録エッセイの中には「重要度に差がある」といった批判もあり、受け取り方は一様ではありませんでした。とはいえ、1980年にはヒューゴ賞の関連ノンフィクション書籍部門にノミネートされるなど、ジャンル内外で影響力を持つ批評集として位置づけられています。後の世代の作家や批評家がファンタジー/SF論を語る際の出発点としてしばしば参照される一冊です。

誰に薦めるか

次のような読者に特におすすめします:

  • ファンタジーやSFを書いている、または書きたいと考えている創作者
  • ジャンル文学の批評や歴史に興味がある読者・研究者
  • ル=グウィンの作品(たとえば上に挙げた長編)をより深く理解したい既読者

批評的でありながらも温かさを失わないル=グウィンの筆致は、ジャンルの価値を再確認させ、創作や読書の視野を広げてくれます。本書は単なる作家論や作品解説集を越え、想像力と倫理、言語の力について考えるための重要なテキストです。

質問と回答

Q: 「夜の言語」とは何ですか?


A: 『夜の言語』はアーシュラ・K・ル=グウィンが書き、スーザン・ウッドが編集したファンタジーとSFに関するエッセイ集です。

Q: 『夜の言語』が最初に出版されたのはいつですか?


A: 『夜の言語』は1979年に出版されました。

Q:『夜の言語』には何編のエッセイがありますか?


A:『夜の言語』には24のエッセイがあります。

Q:『夜の言語』が扱っているトピックは何ですか?


A:『夜の言語』では、ファンタジー小説に対するアメリカ人の態度、SFの長所と短所、児童文学の特殊性といったトピックを取り上げています。また、アーシュラ・K・ル=グウィンの主要作品の背景についても触れています。

Q:『夜の言語』の意義は何ですか?


A:『夜の言語』には、アーシュラ・K・ル=グウィンの文章と批評に関する最も重要な考え方が収められています。以前は入手困難だったル=グウィンの批評集でした。

Q: 『夜の言語』に対する批評家の反応はどうでしたか?


A:『夜の言語』には、重要な文章とそうでない文章の両方がある、と苦言を呈した批評家もいました。それでも、この作品集は1980年のヒューゴー賞の関連ノンフィクション部門にノミネートされました。

Q: 『夜の言語』というタイトルの意味は何ですか?


A:『夜の言語』というタイトルは、アーシュラ・K・ル=グウィンがファンタジー文学について述べたことに由来しています。ファンタジーは詩のように夜の言葉を話すのです」。


百科事典を検索する
AlegsaOnline.com - 2020 / 2025 - License CC3