Transitivity(推移性)とは:意味・定義と用例一覧(言語学・数学・論理)
「推移性(Transitivity)」の意味・定義を言語学・数学・論理別に図解と豊富な用例でわかりやすく解説。基礎から応用まで一目で理解。
Transitivityとは、以下のことを指す場合があります。
概要(共通する意味)
一般に「推移性(transitivity)」とは、ある関係や操作が「つなげても成り立つ」性質を指します。文法では動詞が目的語を取る性質、数学・論理では二項関係について「もし a が b に関係し、b が c に関係するなら a が c に関係する」となる性質を意味します。以下で分野ごとに詳しく説明します。
言語学(文法)の推移性
推移性は動詞が目的語(対象)を取るかどうしる性質を指します。日本語では主に 他動詞(たどうし) と 自動詞(じどうし) の区別で表されます。
- 他動詞(transitive verb):直接目的語を必要または取る動詞。例:食べる、読む、壊す。
- 例文:私はリンゴを食べる。 (I eat an apple.) — 「食べる」は他動詞で「リンゴ」を目的語にとる。
- 自動詞(intransitive verb):目的語を取らず、主語側で状態や動作が完結する動詞。例:歩く、落ちる、開く。
- 例文:窓が開く。 (The window opens.) — 「開く」は自動詞。
- 他動・自動の対応(対応対):開ける(他動詞)/開く(自動詞)、決める/決まる、壊す/壊れる など、意味的に対応するペアが多い。
- 二重目的語(ditransitive):与える系などで二つの目的語(間接目的語と直接目的語)を取る場合もあり、これも「推移性」の一形態として扱われます。例:彼は彼女に手紙をあげた。(あげるは間接目的語(人)と直接目的語(物)を取る)
- 推移性の交替(transitivity alternation):同じ動詞が文脈によって他動・自動的に使い分けられる場合もあります(例:ドアを閉める vs ドアが閉まる)。
数学・集合論における推移性
集合 A 上の二項関係 R(R ⊆ A × A)が 推移的(transitive) であるとは、任意の x,y,z ∈ A について次が成り立つことをいいます:
もし xRy かつ yRz ならば xRz が成り立つ。
- 形式的定義:R が推移的 ⇔ ∀x∀y∀z ((xRy ∧ yRz) → xRz)
- 例(推移的な関係):
- 「≤(小なり等)」:もし a ≤ b かつ b ≤ c なら a ≤ c。
- 「=(等号)」:等価性は推移的である。
- 「整除(a|b)」:もし a が b を割り、b が c を割れば a は c を割る。
- 「祖先(ancestor)」:親の親…と続く関係は推移的。
- 例(非推移的な関係):
- 「親(is parent of)」は一般に非推移的。A が B の親、B が C の親でも A は C の親ではなく祖父母である。
- 「友達である」という関係は通常非推移的(A が B の友達で B が C の友達でも A と C が友達とは限らない)。
- 部分順序(partial order):反射的・反対称的・推移的な関係。例:集合と包含関係 (⊆)。
- 同値関係(equivalence relation):反射的・対称的・推移的。例:合同(≡)や同値類。
- 推移閉包(transitive closure):与えられた関係 R に対し、それを推移的に拡張した最小の関係 R+(R の推移閉包)。グラフ理論やデータベースで重要。計算には Warshall のアルゴリズムや深さ優先探索(DFS)などを使う。
- 推移縮小(transitive reduction):元の推移閉包を保ちながら辺を最小化する操作(有向グラフでの最小辺集合)。
論理・推論における推移性
- 仮言推論(hypothetical syllogism):もし P→Q かつ Q→R なら P→R。これは含意(implication)の推移性の一形態と見なせます。
- 論理的含意(entailment):ある命題が別の命題を論理的に含意するという関係は推移的です:A が B を含意し、B が C を含意するなら A は C を含意します(形式的枠組みによる条件あり)。
コンピュータサイエンスでの応用
- グラフ理論:有向グラフにおける到達可能性(reachability)は関係の推移閉包に対応する。あるノードから別のノードへパスが存在するかどうかは推移性を考える問題。
- データベース:参照関係や階層構造で親子の祖先検索を行う際、推移閉包やその効率的な計算が使われる。
- 形式検証・プログラム解析:命令や状態遷移の推移的性質を利用して到達可能性や不変量を解析する。
用例一覧(短い例と説明)
- 言語(日本語)
- 「食べる」(他動詞)→「りんごを食べる」:目的語を取るので推移的。
- 「寝る」(自動詞)→「彼は寝る」:目的語を取らないので非推移的(自動詞)。
- 「あげる」(二重目的語)→「彼は私に本をあげた」:人(間接目的語)と物(直接目的語)を取る。
- 数学
- 関係 R = { (1,2), (2,3), (1,3) } は推移的。
- 関係 S = { (1,2), (2,3) } は推移的でない((1,3) がない)。S の推移閉包は { (1,2), (2,3), (1,3) }。
- 「<」は推移的:1 < 2 かつ 2 < 3 → 1 < 3。
- 論理
- P→Q、Q→R が真ならば P→R が成り立つ(仮言推論)。
まとめ(ポイント)
- 推移性は分野によって具体的意味は異なるが、本質は「つなげたときに性質が保たれる」こと。
- 言語学では動詞が目的語を取る特性(他動詞/自動詞)、数学・論理では二項関係の性質(もし aRb かつ bRc なら aRc)が主要な用法。
- 推移閉包や推移縮小などの概念はアルゴリズムやデータ構造、グラフ処理で重要。
さらに具体的な例や証明、アルゴリズム(Warshall、Floyd–Warshall、DFS による推移閉包計算など)が必要であれば、その分野(文法/数学/計算アルゴリズム)を指定して詳細を追加します。
文法上
- じどうし
- 他動詞、動詞が目的語を取る場合
- たりつせい
論理学・数学において
- 推移性
その他
- QuickTransitを開発したコンピュータソフトウェア会社Transitive Corporation
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