トゥー・ピープルズ・ベイ自然保護区(西オーストラリア)—ギルバート・ポトルーと再発見鳥の保護地

アルバニー東35kmのトゥー・ピープルズ・ベイ自然保護区:120年以上消えた鳥と希少哺乳類ギルバート・ポトルーが再発見された保護の聖地。

著者: Leandro Alegsa

トゥー・ピープルズ・ベイ自然保護区は、西オーストラリア州南西部の海岸に位置する小さな自然保護区で、世界的に重要な生物多様性の拠点です。特に、世界でも最も希少な有袋類の一つであるギルバート・ポトルー(ギルバート・ポトルー、学名 Potorous gilbertii)の生息地として知られています。1967年に保護区に指定されて以降、種の保全と生息環境の保護が続けられています。

場所と概要

トゥー・ピープルズ・ベイは、西オーストラリア州アルバニー市から東へ35kmの地点にあります。沿岸の海浜、低木林(スクラブ)、篤木林などが混在する多様な植生が特徴で、陸上・海洋の双方で生態系の価値が高い地域です。

重要な再発見

この保護区は、絶滅したと考えられていた種が再発見されたことで世界的に注目を集めました。1962年には、長い間姿が見られなかったノイジー・スクラブバード(Atrichornis clamosus)が当地で再発見され、以降保全対策が強化されました。さらに1994年には、120年以上目撃されていなかったギルバート・ポトルーが現地で再発見され、国際的な保全活動の対象となりました。

生息環境と保全活動

トゥー・ピープルズ・ベイでは、外来捕食者(特にキツネや外来ネコ)による捕食、火災による生息地の喪失、病気、気候変動による影響などが主な脅威です。これらに対して、以下のような保全対策が実施されています。

  • 捕食者管理:毒餌や罠を用いたキツネ対策、外来猫の管理などの捕食者制御プログラム。
  • 火災対策と生息地管理:適切な火入れや防火帯の管理、生息地の回復と植生再生。
  • 個体群モニタリング:定期的な個体数調査、行動や採食生態の研究に基づく管理計画の更新。
  • 保険的個体群・移送:極小個体群の絶滅リスクを下げるための保護区外での保全個体群の確保や移送計画(監視下での飼育や別保護地への移転など)を組み合わせた対策。
  • 地域社会との連携:地元コミュニティやボランティアによる監視、教育活動、啓発。

これらの取り組みにより一部の種は回復の兆しを見せていますが、依然として極めて脆弱な状態にあり、継続的な保全努力が必要です。

訪問情報と注意点

トゥー・ピープルズ・ベイは学術的にも観光的にも関心が高い場所ですが、訪問時には保全上のルールを守ることが重要です。一般的な注意点は以下の通りです。

  • 指定された遊歩道や見学エリアを利用し、植生を踏み荒らさない。
  • ペット(特に犬)や火の持ち込みは禁止されている場所が多い。
  • 外来種の持ち込み(植物の種や生き物)は厳禁。器具や車両の清掃で持ち込みを防ぐ。
  • 野生動物には近づかず、写真撮影時も距離を保つ。

トゥー・ピープルズ・ベイは、再発見された希少種の保護において世界的にも意義のある場所です。保全活動は継続的な努力を要するため、訪問者や支援者の理解と協力が不可欠です。

ツーピープルズベイ自然保護区の位置図Zoom
ツーピープルズベイ自然保護区の位置図



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