単位ベクトルとは、長さが1単位である任意のベクトルのことです。
単位ベクトルは通常のベクトルと同じように表記されることが多いですが、文字の上にマークを付けます(例えば、a ^ {\displaystyle \mathbf {\hat {a}} }はaの単位ベクトルです)。
ベクトルを単位ベクトルにするには、それをその長さで割る: u ^ = u / ‖ u ‖ {displaystyle {widehat {u}}=u/\lVert u\rVert }
定義の補足と注意点
- 方向の保存:単位化(正規化)しても元のベクトルの方向は変わりません。長さだけを1に揃えます。
- 零ベクトルは不可:長さが 0 の零ベクトルは向きが定義できないため、単位ベクトルにできません。つまり u = 0 のとき u/‖u‖ は定義されません。
- 軸方向の単位ベクトル:2次元・3次元では、しばしば x, y, z 軸方向の単位ベクトルをそれぞれ i, j, k や e1, e2, e3 と表記します。これらは互いに直交し、長さ1です(正規直交基底)。
計算手順(実務的な流れ)
- 与えられたベクトル u の成分から大きさ(ノルム)‖u‖ を求める。ユークリッドノルムなら √(x1^2 + x2^2 + ...)。
- ‖u‖ が 0 でないことを確認する。
- 各成分を ‖u‖ で割る。結果が単位ベクトル û = u / ‖u‖ になる。
具体例
- 2次元の例: u = (3, 4)。大きさは ‖u‖ = √(3^2 + 4^2) = 5。
よって単位ベクトルは û = (3/5, 4/5) であり、長さは 1 になります。 - 3次元の例: u = (1, −2, 2)。大きさは ‖u‖ = √(1^2 + (−2)^2 + 2^2) = √9 = 3。
単位ベクトルは û = (1/3, −2/3, 2/3)。 - 内積を使った正規化(抽象ベクトル空間): 内積 ⟨u,u⟩ の平方根をノルムとする場合、û = u / √⟨u,u⟩ と同様に定義できます。これはユークリッド空間に限らず有効です(内積空間で‖u‖ = √⟨u,u⟩)。
性質と利用
- 任意の非零ベクトル u に対して、û は方向ベクトルとして使えます。たとえば速度の向きだけを取り出したり、方向余弦を求めたりするのに有用です。
- 複数の単位ベクトルが互いに直交する場合、それらは正規直交基底(orthonormal basis)を形成し、座標変換や射影の計算が容易になります。
- 内積との関係:u·v = ‖u‖‖v‖ cosθ。ここで û·v = ‖v‖ cosθ は v が û に対して持つ大きさの成分(射影)を与えます。特に û·v は v の û 方向成分の大きさです。
まとめ(ポイント)
- 単位ベクトルは長さが1のベクトルで、方向を表すのに使う。
- 求め方は簡単:û = u / ‖u‖(u ≠ 0)。
- 零ベクトルは単位化できない。軸方向の単位ベクトル i, j, k(または e1, e2, e3)はよく使われる。