アメリカ合衆国大統領選挙とは?選挙人団の仕組み・日程・選出方法の解説
アメリカ大統領選の仕組みを分かりやすく解説:選挙人団制度、投票日程、選出方法、下院・上院の役割まで図解で短時間で理解
米国の大統領および副大統領の選挙は、国民が米国選挙人団のメンバーに投票する間接的な投票制度です。選挙人は最終的に大統領と副大統領に直接投票します。通常、選挙人の過半数(現在は総数538人中の270票以上)を獲得した候補者が当選します。もし大統領または副大統領について選挙人の絶対多数が得られなかった場合、憲法に定められた手続きにより連邦議会が決定します(下記参照)。大統領選挙は4年に1度行われ、1845年以降は11月の第1月曜日の翌日の火曜日(「選挙日」)に実施されるのが慣例です。
選挙人団の仕組みと人数配分
- 選挙人の総数は538人。各州の選挙人の数はその州の上下院議員数の合計(上院2+下院の議席数)に等しく、さらに首都ワシントンD.C.に3人が割り当てられます。
- 各州は自らの方式で選挙人を選出します(州法に基づく)。多くの州は「勝者総取り(winner-take-all)」方式を採用しており、その州で最多得票の候補が州のすべての選挙人票を受け取ります。ただし、メイン州とネブラスカ州は地区別配分方式(congressional district method)を採用し、一部の票を地区ごとに配分します。
- 選挙人の過半数(現在は270票)を得た候補が当選となります。
選挙の主要な日程(典型的な流れ)
- 予備選(プライマリー)・党員集会(カーカス):各州が候補者の指名を決める。通常は翌年の初頭から夏にかけて実施。
- 全国党大会:各政党が正式に大統領候補および副大統領候補を指名(夏)。
- 一般選挙(選挙日):11月の第1月曜日の翌日(火曜日)。有権者は各州で選挙人に投票する。
- 選挙人の投票:12月中に各州で選挙人が集まり、正式に大統領・副大統領に投票(Electors meet in their states)。
- 選挙結果の認定:翌年1月6日前後に連邦議会の合同会議で開票・認定(Congress counts electoral votes)。
- 就任式:当選者は1月20日に大統領に就任(20修正条項)。
選出方法の詳細と例外
- 間接選挙の実務:有権者は選挙人に投票しますが、多くの州では事実上、人気投票(popular vote)の勝者がその州の選挙人票を受け取ります。そのため一般には「間接だが実質的には直接選挙に近い」と説明されます。
- 選挙人団で過半数が得られない場合:大統領については選挙人票の上位3名を対象に下院が選出します(各州代表団が1票)。副大統領については上位2名を対象に上院が選出します(各上院議員が1票)。この規定は合衆国憲法の第12修正条項に定められています。
- 信義に背く選挙人(faithless electors):選挙人が自らの公約どおりに票を投じない事例があります。しかし近年、州法によって選挙人の誓約を強制し、変更や罰則を課すことが認められており(最高裁判所判決 Chiafalo v. Washington 2020年)、多くの州はこうした措置を講じています。
- 州ごとの差異:選挙人の選出方法や期日、投票用紙の扱い、再集計(リカウント)や不服申し立ての手続きは州ごとに異なります。このため選挙管理や結果の確定には州レベルの規則が大きく影響します。
結果の確定と紛争対応
- 選挙日は11月だが、実際に選挙人が投票しその票が連邦議会で認定されて正式に当選者が確定するのは年をまたいでからです。
- 選挙結果に争いがある場合、州裁判所や連邦裁判所で訴訟が行われることがあり、最終的には最高裁判所が判断を下すこともあります(2000年フロリダ再集計事件など)。
よくある誤解とポイント
- 「大統領は国民投票で決まる」との誤解:人気投票で多数を取っても選挙人団で過半数を得られなければ当選しません(過去に複数回の事例あり)。
- 選挙日と選挙人の投票日は異なる:有権者の投票は11月だが、選挙人は12月に投票します。最終的な開票は翌年1月に行われます。
- 州の権限が強い仕組み:各州が選挙手続きを定めるため、運用やトラブル対応に差が出ます。
以上が、米国の大統領選挙の基本的な仕組み・日程・選出方法の概要です。具体的な細部(州ごとの選挙人配分や法改正の状況、最近の選挙の事例など)は随時変わるため、最新の情報は各州の選挙管理当局や連邦の公式発表で確認してください。
参加資格
大統領になる資格を得るために、候補者は以下のことをしなければなりません。
- 米国の自然生まれの市民であること
- 35歳以上の方
- 米国に14年間居住していること
質問と回答
Q:アメリカ大統領選挙における間接投票の定義は何ですか?
A: アメリカ大統領と副大統領の選挙は、市民がアメリカ選挙人団のメンバーに投票する間接投票です。
Q: アメリカ大統領選挙で大統領と副大統領に直接投票するのは誰ですか?
A: 米国選挙人団の選挙人が大統領と副大統領に直接投票します。
Q: アメリカ大統領選挙で、両方の投票が絶対多数となった場合はどうなりますか?
A: アメリカ大統領選挙において、両方の投票が絶対多数となった場合、選挙は終了します。
Q: 米大統領選挙で選挙人の過半数が大統領に投票しなかった場合はどうなりますか?
A: 米大統領選挙で選挙人の過半数が大統領に投票しなかった場合、下院が大統領を選出します。
Q: 米大統領選挙で選挙人の過半数が副大統領に投票しなかった場合はどうなりますか?
A: 米大統領選挙で選挙人の過半数が副大統領に投票しなかった場合、上院が投票します。
Q: アメリカで大統領選挙が行われるのはいつですか?
A: 大統領選挙は4年に1度、選挙日に行われます。1845年以来、選挙日は11月の第1月曜日の翌日の火曜日となっており、他の連邦、州、地方の様々な選挙の総選挙と重なっています。直近のアメリカ合衆国大統領選挙は2020年11月3日に行われました。
Q: アメリカ大統領選挙では、市民が大統領と副大統領に直接投票するのですか?
A: いいえ、市民は大統領と副大統領に直接投票しません。市民は選挙人団のメンバーに投票し、その選挙人団が大統領と副大統領に直接投票します。
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