アイルランド自由国の行政会議副議長(副大統領)の定義と歴史

アイルランド自由国の行政会議副議長(副大統領)の役割・起源・憲法的地位とTánaisteへの移行を歴史的視点でわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

定義

行政会議(Executive Council)は、アイルランド自由国の内閣に相当する統治機関で、その長は行政会議議長(President of the Executive Council)と呼ばれました。憲法上、副大統領(副議長)は議長が不在のとき、あるいは議長職が空位になって新しい議長が選出されるまで、その職務を代行する役割を持つと定められていました。

憲法上の位置づけと役割

アイルランド自由国(1922–1937年)の憲法は、副大統領について明確に代行の規定を置いていました。具体的には、議長が疾病・出張などで職務を遂行できない場合や議長の退任・罷免で職が空いた場合に、副大統領がその職務を一時的に担い、行政会議の業務を維持することが認められていました。

実務上の特徴

行政会議は規模が小さく、通常5〜7人程度の大臣で構成されていたため、副大統領も通常は何らかの省を担当する現職大臣でした。したがって、副大統領は単に「代行者」であるだけでなく、日常的には担当省の業務と並行して行政府の副首長的な機能を果たしました。

  • 会議の代理議長:議長が不在の会議を主宰する。
  • 代表職務の代行:対外的・議会での代表や、議長に代わる行政上の決定を一時的に行う。
  • 省務との兼任:小規模な内閣構成のため、多くの場合司法、財務など主要な省を兼務した。

歴史的背景と例

アイルランド共和(初期の独立運動期に成立した政権)やその臨時政府には明確な「政府の副首長」にあたる制度が置かれていなかったため、自由国期における行政府の副大統領という役職は比較的新しい制度的措置でした。実務上は与党内の有力な閣僚が務めることが多く、その代表的な例の一つとしてケヴィン・オヒギンズ(Kevin O'Higgins)は、1922年から1927年にかけて副大統領を務めると同時に司法大臣を兼務し、当時の政府運営で重要な役割を果たしました。

廃止と後継

1937年にアイルランド自由国の憲法は新憲法「Bunreacht na hÉireann」に改められ、行政の長職やその補佐に関する制度も改定されました。これにより、副大統領の制度は終了し、その機能はTánaisteに引き継がれました。現在のアイルランドでは、Tánaisteが政府の副首相に相当する役割を担っています。



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