ビデオテープは、薄いプラスチック基材に磁性材料を塗布した帯状の媒体に、動く映像と通常は付随する音声を記録する記録媒体である。初期の方式では開放リールと大型のスタジオ機器が用いられ、後の設計ではテープを家庭用や現場用に適したコンパクトなカセットに収めた。この物理媒体と、それを読み書きする機器は、20世紀後半の大半にわたり、映像の制作・流通・保存のあり方を形づくった。基礎的な技術情報については 磁気テープ を参照。
仕組みと主な構成要素
ビデオテープは、テープ上に磁化されたパターンとして信号を保存し、再生機または記録機の内部で回転するビデオヘッドによってそのパターンを作成・読み出しする。方式によってヘッドの形状やテープの走行経路は異なるが、家庭用・業務用の多くの規格は、広い帯域幅を持つ映像を記録するために、動くテープと1つ以上の回転ヘッドに依存している。規格には長いオープンリールから小型カセットまでさまざまな形があり、線形トラックを使うものもあれば、データ密度を高めるためにヘリカルスキャン記録を用いるものもある。アナログという語は初期の多くの規格を指し、より新しいものでは同じ物理的なテープ形態にデジタル符号化が適用された。アナログ方式の一般的な背景については アナログ を参照。
主要な規格と例
- リール・トゥ・リールの放送用機器(初期のスタジオ録画機)
- テレビ制作で使われたU-matic、Betacam、その他の業務用カセット規格
- 家庭での録画・再生に使われたVHSとBetamaxの家庭用カセット
- MiniDVやDigital Betacamなど、テープにデジタル符号化を組み合わせたデジタルテープ規格
ビデオテープは、多くの非劇場向けの映像制作において 写真フィルム の使用を大きく置き換え、とくに低予算の映像制作やホームムービーで重宝された。すぐに再生でき、運用コストも低かったためである。
歴史と発展
ビデオテープ技術は、遅れて放送するために生放送のテレビ番組を記録する目的で、1950年代に登場した。その後数十年にわたり、この技術は大型のスタジオ機器から携帯型のビデオカメラや家庭用VCRへと移行し、放送の作業手順と家庭向け娯楽を大きく変えた。1970年代から1980年代にかけて、ビデオテープはホームビデオとテレビ制作の多くで支配的な媒体となった。20世紀末になると、テープ上およびディスク上の両方でデジタル録画技術がアナログテープに取って代わり始め、21世紀にはソリッドステート媒体とファイルベースの記録が、日常的な用途の大半でビデオテープをほぼ置き換えた。映像技術の広い流れについては ビデオ を、現在のリムーバブル媒体については メモリーカード を参照。
用途、耐久性、保存
ビデオテープは、放送アーカイブ、ニュース取材、教育、ホームムービー、監視、映画制作の現場などで使われてきた。その利点には、再利用できること、比較的低コストであること、そして即時再生が可能なことが含まれる。制約としては、機械的な摩耗、磁気劣化、規格の増加に伴う再生互換性の変化がある。歴史的なビデオテープ資料の保存には、管理された保管と現代的なデジタル形式への移行が必要であり、多くのアーカイブでは、旧式のテープ規格で作成された内容を保全するためにフォーマット変換を行っている。
家庭用および放送用の業界は、すでにビデオテープから大きく離れているが、この媒体は、アーカイブ、コレクターのコミュニティ、そしてテープ運用を維持する一部の専門分野でなお重要である。アナログのスタジオ用リールから小型のデジタルカセットへというビデオテープの技術的進化は、数十年にわたり、動く映像がどのように記録され、編集され、視聴されたかにおいて中心的な役割を果たした。