フィリピン西ビサヤ(リージョンVI)とは:州・主要都市・地理概要

フィリピン西ビサヤ(リージョンVI)の州・主要都市(イロイロ、バコロド)やパナイ島・離島を含む地理概要を分かりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

西ビサヤ地方は、フィリピンの行政区で、公式にはリージョンVIと呼ばれます。地域の中心(リージョナルセンター)はイロイロ市です。

西ビサヤは6つの州を持つ地域で、主にパナイ島(Panay)とその周辺の島々、さらにネグロス島の西半分を含みます。主な島にはパナイ島、ギマラス島、そしてネグロス島の西部があり、数多くの小島・離島が点在しています。地域内には独立市(highly urbanized cities)として扱われる都市があり、バコロド市とイロイロ市がその代表です。

構成州(主な行政区画)

  • アクラン州(Aklan) — 観光地ボラカイ(Boracay)が属する州。
  • アンティーク州(Antique) — パナイ島西部に位置し、歴史的・自然資源が豊富。
  • カピス州(Capiz) — 漁業と海産物で知られる。
  • ギマラス州(Guimaras) — マンゴー生産で有名な小さな島の州。
  • イロイロ州(Iloilo) — リージョナルセンターであり、歴史的建造物や文化イベントが多い。
  • ネグロス・オクシデンタル州(Negros Occidental) — サトウキビ生産や糖業が地域経済の中心。

地理と気候

西ビサヤはフィリピン中部に位置し、島嶼(とうしょ)地帯が連なるため海岸線が非常に長く、多様な生態系(マングローブ、サンゴ礁、山岳地帯)を持ちます。気候は熱帯モンスーン気候で、一般に高温多湿。乾季(おおむね11月〜4月)と雨季(5月〜10月)に分かれ、台風の通り道からやや西側に位置するため、東部の地域ほどの直撃は少ないものの、強い雨や暴風に見舞われることもあります。

人口と言語

西ビサヤでは人口密度が高い都市部と人口希薄な山間・離島部が混在します。主要な話者言語はヒリガイノン(イロンゴ)で、とくにイロイロ・ネグロス・ギマラス地域で広く用いられます。その他にカラナイャ(Kinaray-a/アンティーク)、アクラノン(Aklanon)やカピスノン(Capiznon)、セブアノ語などの地方語が使われ、フィリピン語(タガログ)と英語も公用語・教育言語として広く理解されています。

経済

西ビサヤの経済は多角的で、次の産業が主要です:

  • 農業:米、トウモロコシ、サトウキビ、バナナなど。
  • 漁業:豊富な沿岸資源による漁業と養殖。
  • 果樹栽培:特にギマラスのマンゴーが有名。
  • 観光:ボラカイなどのビーチ、歴史的建築や祭りへの観光客が多い。
  • 軽工業・加工業:食料加工、砂糖産業に関連する製造業など。

文化と祭り

西ビサヤは豊かな文化遺産と祭礼で知られます。代表的な祭りには、イロイロのディナギャン(Dinagyang)アクランのアティ=アティハン(Ati-Atihan)、バコロドのマスカラ祭(MassKara)などがあり、音楽・舞踊・宗教行事と深い結びつきがあります。これらの祭りは地域のアイデンティティと観光資源の両方を支えています。

主な観光地

  • ボラカイ(Aklan) — 世界的に有名な白砂ビーチ。
  • イロイロ市(歴史地区) — スペイン植民地時代の建造物や教会。
  • ギマラスのマンゴー園・田園風景。
  • ネグロス島の山岳・温泉・ナチュラルリゾート(例:マムバカル、カンラオン山など)。
  • イロイロ周辺の島々(例:Islas de Gigantes)や美しいビーチ群。

交通

地域内の移動は空路・海路・陸路を組み合わせて行われます。主要空港にはイロイロ国際空港、バコロド近郊のシレイ(Silay)空港、アクランのカリボ(Kalibo)空港などがあり、国内外との接続に利用されます。島嶼間はフェリー・バンカ(伝統的な小型船)で結ばれ、地域港(例:イロイロ港、バコロド港)は貨物・旅客交通の要となっています。

まとめ(特徴)

  • 多島性:パナイ島と周辺の多数の島々からなる群島地域で、海洋資源が豊富。
  • 文化的多様性:ヒリガイノンを中心に複数の地方語・風習が併存。
  • 観光資源:ビーチ、祭り、歴史的観光地が観光産業を支える。
  • 産業構造:農業・漁業・観光・砂糖産業が主な経済基盤。

西ビサヤは自然・文化・経済の面でフィリピン国内でも特色の強い地域であり、国内外から多くの訪問者や投資を引きつけています。



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