包有岩(ゼノリス)とは?定義・生成過程と地球深部を知る手がかり
包有岩(ゼノリス)の定義と生成過程を図解で解説。玄武岩やキンバーライトに含まれるマントル由来の鉱物やダイヤ発見例まで、地球深部を読み解く入門ガイド。
包有岩(ゼノリス)とは、周囲を取り囲む母岩とは異なる組成や起源をもつ岩片のことです。多くは火成作用に伴って、上昇するマグマや溶岩流に取り込まれた他の岩石片を指しますが、広義には堆積岩中に包有された岩片や、隕石の中から見つかる異物塊も含まれます。
定義と関連用語
- 包有岩(ゼノリス):母体の岩石(たとえばマグマや溶岩)とは異なる岩石片。
- 包有晶(または異物結晶):母体の火成岩中に含まれる個々の外来結晶。原記載では「異物結晶」と表現されます。
- 自生(antecryst / autolith):母岩(マグマ)自身に由来する結晶や破片で、外來(xeno)ではないものと区別されます。
生成過程(どのように取り込まれるか)
包有岩や包有晶がマグマや溶岩に取り込まれる機構は複数あります。代表的なものを挙げると:
- マグマの上昇や侵入に伴う壁岩の剥離・崩落(ストーニング)により、深部や周辺の岩石がマグマに落ち込む。
- 高速に流れる溶岩が地表や溝の壁を削り取り、地面に沿って岩片を拾う(溶岩流による捕捉)。これに関する例は溶岩の流れの説明と関連します。
- マグマが周囲の岩石を部分的に溶かしたり熱変成させたりして、化学的にも物理的にも変化した断片が残る場合(反応によりコロナや反応縁ができる)。
- マグマに先立って形成された結晶がその後のマグマに取り込まれる場合(包有晶)。
典型的な発生場所と例
包有岩は特に流動性の高いマグマが周囲のより強固な岩石を取り込む場面で多く見られます。よく知られた例は次の通りです:
- 玄武岩中のマントル包有岩:上昇してきた玄武岩やそのマグマが、上部マントルを由来とする高温・高圧の岩石(ペリドタイト等)を運んでくることがあります。これらは地殻や上部マントルの直接サンプルとなります。玄武岩、キンバライト、ランプロライト、ランプロファイアーなどは、その源が上部マントルにあるため、マントル起源の断片を含むことが多いです。
- キンバライト中のダイヤモンド包有:キンバライトやキンバライト系の岩石は深部からダイヤモンドを運び上げることで知られており、ここでの結晶は包有晶(例:ダイヤモンドなどが)として重要です。
- 低シリカ溶岩中の石英包有晶:通常は高シリカ岩に多い石英が、低シリカの溶岩(例えば玄武岩質溶岩)中に存在する場合、それは外来の結晶であることが多い(原文で示されたように、低シリカ溶岩中の石英結晶など)。
- 堆積相や隕石中の包有物:堆積岩に混入した他岩片や、隕石の中に混入する異なる岩石片も包有物として扱われます。また火成作用だけでなく衝撃や堆積過程でも包有が生じます。
大きさ・テクスチャ・反応
包有岩の大きさは数ミリメートルの結晶から、数メートルに及ぶ大きな岩片までさまざまです。包有岩は母岩との化学的不均衡や熱的不均衡のために表面に反応縁(コロナ)や再結晶を示すことが多く、これらの特徴は取り込まれた時の温度・時間条件を示す手がかりになります。
地球深部を知る手がかりとしての重要性
包有岩・包有晶は、深部環境を直接に示す「天然のサンプル」として非常に価値があります。特にマントル由来の包有岩は、深さ・温度・組成を推定するために用いられます。
- 鉱物組成・組織からの温圧推定(サーモバロメトリー)。ペリドタイト中のオリビンや輝石、ガーネットやスピネルの存在は、サンプルが取り出された深度圏(スピネル相ガーネット相など)を示します。
- 化学成分と同位体(Sr, Nd, Pb, Osなど)による起源と進化の解析。これによりマントルの異質性や融解過程、混合過程がわかります。
- マントル領域の鉱物学的情報:包有岩中の鉱物相は上部マントルの構成や地殻-マントル境界の性質についての重要な証拠となります(原文のように、下部マントルの鉱物学の一部であると考えられる断片や結晶の検出も期待されます)。
研究手法と注意点
包有岩を使った研究では、取り出されたサンプルが上昇過程でどの程度変質したかを慎重に評価する必要があります。短時間での部分的融解や熱変成が生じると、元の情報が変化してしまうことがあります。したがって:
- 微細構造(反応縁、溶融痕)の観察で上昇・反応履歴を推定する。
- 複数の独立した分析法(鉱物化学、同位体年代学、包有流体分析など)を組み合わせる。
- 包有晶と包有岩を区別して解釈する(結晶一つ一つの起源と、岩片全体の起源は必ずしも同じではない)。
まとめ
包有岩(ゼノリス)や包有晶(異物結晶)は、マグマや溶岩に取り込まれた外来の岩石・鉱物であり、地球内部(特に上部マントル)を直接調べるための貴重な手がかりを提供します。玄武岩やキンバライトのように上部マントルを源とする火成岩は、しばしばこれらを運搬し、地表で観察・分析可能な形で届けてくれます。研究にあたっては、取り込み後の変質や反応履歴を考慮した慎重な解析が必要です。
花崗岩中のガブロッとしたゼノリス;シエラネバダ州東部、ロッククリークキャニオン、カリフォルニア州
ドイツ、ヴァルカン・アイフェルの(暗い)火山性爆弾のペリドタイト(緑)マントル・ゼノリス。縮尺用の1ユーロ硬貨
質問と回答
Q: ゼノリスとは何ですか?
A:ゼノリスとは、他の岩石に囲まれた岩石の破片のことです。
Q:ゼノリスはどのような岩石に多く見られますか?
A:火成岩に多く見られます。
Q: 火成岩でゼノリスはどのように形成されるのですか?
A: 火成岩では、マグマが固い岩石の周りを流れるのに十分な流動性があるときに、ゼノリスが形成されます。
Q: 火成岩のどこにゼノリスがありますか?
A: ゼノライトは、マグマだまりの縁にあったり、溶岩の流れの壁からはがれたり、地表を流れる溶岩が地表に沿って拾い上げたりしたものです。
Q: ゼノクリスストとは何ですか?
A: 異方晶とは、火成岩体の中に含まれる個々の異物結晶のことです。
Q: 異結晶の例にはどのようなものがありますか?
A:シリカの少ない溶岩中の石英結晶や、キンバーライト・ダイアトレム中のダイヤモンドなどがあります。
Q: ゼノリスとゼノクリスストの存在は何をもたらすのですか?
A: キセノリスやゼノクリスストの存在は、他の方法ではアクセスできないマントルの組成に関する重要な情報を提供します。
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