『イエロービアード』は、1983年に製作された英米合作の海賊コメディ映画である。古い時代の海洋冒険映画を下敷きにしつつ、スラップスティックや風刺的な笑いを前面に出した作品で、英国と米国の著名なコメディ演者を多数集めた大所帯のアンサンブルが特徴となっている。海賊ものの定番表現を、ひねりを効かせて茶化す語り口も見どころである。
概要
物語は、逃亡した、あるいは戻ってきた海賊的人物が、埋蔵された財宝を探すうちに、次々と失敗、変装、そして笑いの見せ場へ巻き込まれていくという流れで進む。歴史的な正確さや重厚な冒険性を目指すのではなく、登場人物同士の掛け合い、繰り返しのギャグ、そして複数のベテラン俳優・コメディアンによるカメオ出演に重点が置かれている。
主な出演者と協力者
- グレアム・チャップマン — アンサンブルの中核を担うコメディ俳優
- ピーター・ボイル
- チーチ・マリン
- トミー・チョン
- ピーター・クック
- マーティ・フェルドマン
- スパイク・ミリガン
- エリック・アイドル
- ジョン・クリーズ
- ジェームズ・メイソンとスザンナ・ヨーク
- ナイジェル・プレナー、マーティン・ヒューイット、ベリル・リード
- デヴィッド・ボウイがカメオ出演している
製作と作風
本作の監督はメル・ダムスキーで、配給はオリオン・ピクチャーズが担当した。舞台やテレビのコメディで知られる演者と、すでに映画界で活躍していた俳優たちが一緒に参加したことで、作風は無秩序なスケッチ・コメディと、より一般的な映画的ギャグのあいだを行き来するものになった。脚本や撮影現場での即興には、英国コメディの伝統と米国のカウンターカルチャー的ユーモアの双方が反映されている。
評価と後年への影響
公開当時の評価は賛否が分かれ、ユーモアの好みや全体のトーンの不揃いさをめぐって批評家の意見は割れた。その後は、出演者のファンや、ひと味違うコメディを集める鑑賞者のあいだで関心を保ち続けている。時代を映す珍品、あるいはカメオ出演の見本として楽しむ視聴者もいる。広く名作とみなされているわけではないが、『イエロービアード』は、異なる笑いの様式を一つのジャンル作品にまとめようとしたアンサンブル・コメディの参照点であり続けている。
特筆点
この映画は、非常に多くて多彩な出演陣と、英国のシュールな感覚やスケッチ・コメディの資質を、米国のスタント系・カウンターカルチャー系コメディと組み合わせた点でしばしば記憶される。掲載された出演者たちのキャリアをたどる観客にとって、『イエロービアード』は、1980年代初頭に異なるコメディ伝統をジャンルの枠内で融合させようとした試みの一例となっている。