1980年のニューオリンズ・セインツのシーズンは、ナショナル・フットボール・リーグにおけるチームの14番目のシーズンでした。この年、セインツはリーグ史上初めて1勝15敗という成績でシーズンを終え、フランチャイズ史上最も厳しい年のひとつとなりました。

シーズン成績と注目の試合

1980年のセインツは序盤から苦戦し、シーズンの大半を敗戦で過ごしました。唯一の勝利は第15週のニューヨーク・ジェッツ戦で、終盤に逆転して21-20で勝ち切った試合です。試合中、7-13とリードされていた場面でアーチー・マニングがトニー・ガルブレスにタッチダウンパスを通し14-13と逆転、その後さらにタッチダウンを奪って21-20で試合をものにしました。

一方で、ファンの失望を象徴する瞬間も多く、特にロサンゼルス・ラムズ戦に7-27で敗れてシーズン初期に未勝利、12敗でのスタートとなったことから、地元のファンやメディアはチームを「エイント(Aints)」と揶揄するようになりました。のちに紙袋を被るなどの抗議やジョークが行われることもあり、この言葉はフランチャイズの低迷を象徴する表現として語り継がれています。

歴史的な逆転劇(第14週:サンフランシスコ戦)

セインツの注目すべき敗北の一つに、第14週のカリフォルニア州サンフランシスコで行われた試合があります。この試合でセインツは一時35-7と大きくリードしていましたが、ホームのサンフランシスコ・49ersが執念の反撃を見せ、最終的に延長戦でのフィールドゴールにより38-35で逆転勝利を収めました。この逆転劇は、NFL史でも屈指のカムバックのひとつとして語られています。

その後の文脈と比較

1980年以降、同様に1勝15敗でシーズンを終えたチームはさらに複数現れました。該当するチームには1989年のカウボーイズ、1990年のペイトリオッツ、1991年のコルツ、1996年のジェッツ、2000年のチャージャーズ、2001年のパンサーズ、2007年のドルフィンズ、そして2009年のラムズがあります。また、フットボール史上さらに厳しい成績として、デトロイト・ライオンズは2008シーズンに16試合全敗(0勝16敗)を記録しました。

こうした低迷の時期を経て、セインツはフランチャイズの再建を図り、長期的には改善を遂げます。特に2000年代後半以降はチーム力が向上し、Drew Breesとショーン・ペイトン体制の下で2009年シーズン(第44回スーパーボウル)においてフランチャイズ初のスーパーボウル制覇を果たすなど、大きな転換を迎えました。

1980年のシーズンは、記録としては苦いものの、フランチャイズ史の転換点やファン文化の象徴的エピソードを生んだ年として、ニューオーリンズ・セインツの歴史に残るシーズンとなっています。