1990年代は20世紀最後の10年間であり、1990年1月1日から1999年12月31日までを指す。この時期は、冷戦体制の終結、市場志向の経済政策の広がり、そして日常生活や世界の商取引を大きく変える情報技術の登場によって、急速な変化が進んだ時代だった。
政治と国際情勢
10年間の始まりには、国際政治の大きな再編が起きた。1991年にソ連が解体され、1990年にはドイツ再統一が完了した。ユーゴスラビア解体後の戦争や1994年のルワンダ虐殺のような紛争と人道危機は、新しい国際機関や平和維持の手法に試練を与えた。マーストリヒト条約に基づく欧州統合の進展や、世界貿易の枠組みの拡大など、地域的な合意や制度も発展した。
経済、グローバル化と危機
多くの国では、経済政策として自由化と民営化が重視された。NAFTAのような協定や世界貿易機関の創設に象徴されるように、貿易自由化は加速した。1990年代前半の景気後退から回復した後、多くの地域で持続的な成長が続き、後半には技術主導の好況が頂点に達した一方、1997年のアジア通貨危機のような衝撃も経験した。
技術と科学
1990年代には、World Wide Webが一般に広まり、インターネットの商業化が進んで、通信、メディア、ビジネスのあり方が変わった。初期のウェブブラウザや検索ツールは中盤に登場し、パソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機といった新しい消費者向け技術もより広く普及した。ヒトゲノム計画やバイオテクノロジーの顕著な進歩といった主要な科学プロジェクトや成果も、大きな注目を集めた。
文化と社会
大衆文化は継続と変化の両方を示した。グランジやヒップホップのような音楽ジャンルは広い聴衆を獲得し、テレビシリーズ、娯楽大作映画、ビデオゲームは世界的な文化輸出として成長した。ファッションはグランジやミニマリズムから、Y2K的な美学の萌芽まで幅広かった。社会運動では、環境意識の高まりやLGBTコミュニティの可視化が進み、環境問題に関する国際的合意も形づくられ始めた。
主な特徴と遺産
- 冷戦後秩序の終結と新しい国家の出現。
- インターネットとデジタル通信の急速な拡大。
- 経済のグローバル化と地域的金融危機の併存。
- 音楽、映画、インタラクティブメディアに残る文化的潮流。
1990年代は、21世紀へと引き継がれる技術的・政治的・文化的なパターンを形づくった。より相互接続された世界経済、新しいメディア環境、そして統治や社会生活に対する期待の変化が、この10年間の大きな遺産である。