ダダバイ・ナオロジ(1825–1917)—インド独立運動の先駆者、国民会議創設者・英下院初のインド人
ダダバイ・ナオロジ — インド独立運動の先駆者、国民会議創設者、英下院で初のインド人。植民地支配に抗した生涯と功績を詳述。
ダダバイ・ナオロジ(1825年9月4日 - 1917年6月30日)は、パールシー(パーシー)教徒の知識人、教育者、綿商人であり、インドの政治・社会の指導者の一人であった。しばしば「インドのグランド・オールド・マン(Grand Old Man)」と呼ばれ、初期のインド民族運動の理論的基盤を築いた人物として評価されている。1892年から1895年にかけて自由党の下院議員を務め、英国議会に選出された最初のインド人であった。A.O.ヒューム、ディンシャウ・エドゥルジ・ワチャとともにインド国民会議を立ち上げ、インドの政治的自覚を喚起する役割を果たした。
生涯と活動
ナオロジはボンベイ(現ムンバイ)周辺で生まれ育ち、若年期から教育や商業活動に従事した。教師や教育者として地方の教育振興に関わる一方、綿花や繊維を中心とした商売で成功を収め、西洋の経済制度や交易の実際を目の当たりにすることで、インド経済がどのように英国中心の仕組みに組み込まれているかを鋭く認識するようになった。
思想と業績 ― 「ドレイン理論」
ナオロジは統計資料と経済分析を用いて、インドから英国へ富が系統的に流出していることを示したことで知られる。代表的著作は英語で Poverty and Un-British Rule in India(邦題例:「インドにおける貧困と非英国的支配」)とされ、そこでは「ドレイン(富の流出)理論」を展開した。主な指摘は以下の通りである:
- 植民地統治の下で、税収・関税・企業利益・軍事駐屯に伴う経費などが本国へ送金され、インド国内への再投資が不十分であること。
- 高額な行政官給料や年金、外国人資本の利潤送金が経済的負担を増やし、現地の産業育成を阻害していること。
- 統計的な分析を用いて、インドの貧困や経済的停滞が単なる自然条件ではなく、政治経済構造の結果であることを示した点。
この理論は、インド独立運動における経済的批判の基盤となり、後の指導者たちに大きな影響を与えた。
政治的役割と国際的関与
ナオロジはインド国内での立憲的・平和的な改革を訴え、インド国民会議(Indian National Congress)の設立に関与して英領政庁に対する制度的な要求を行った。英国議会ではインド問題を取り上げ、税制・代表権・行政の透明化などを求めて論陣を張った。国際的には社会主義者や労働運動とも関係を持ち、カウツキーやプレハーノフらと交流し、第二インターナショナルの議論にも接することで、国際的な視点から植民地問題を訴えた。
評価と記念
ナオロジの業績は生前・没後ともに広く認識され、インド近代史における重要人物とみなされている。2014年にはニック・クレッグ副首相(当時)が英印関係への貢献を称える「ダダバイ・ナオロジ・アワード」を開始したとされる。インド政府も彼を顕彰しており、インドポストは1963年、1997年、2017年にナオロジを題材にした記念切手を発行している。
遺産
ナオロジは経済的な論理と言葉を用いて植民地支配を批判した先駆者であり、その「ドレイン理論」はインド独立運動の理論的基礎の一つとなった。教育・社会改革の推進者としての側面もあり、平和的かつ制度的な手段で権利回復を求める姿勢は後の世代に受け継がれた。1917年に没したが、彼の著作と議会での発言は今日でもインド近代史と経済史の重要な資料として参照されている。
質問と回答
Q: ダダバイ・ナオロジとは誰ですか?
A: ダダバイ・ナオロジはパールシーの知識人、教育者、綿花商人であり、インドの政治・社会指導者。インドの大老として知られています。
Q:ナオロジのイギリス政治への貢献は?
A:ナオロジはインド人として初めてイギリスの国会議員になりました。1892年から1895年の間、自由党の下院議員でした。
Q: インド国民会議とは何ですか?
A:ナオロジはA.O.ヒューム、ディンショー・エドゥルジ・ワチャとともにインド国民会議を立ち上げました。インド独立運動で重要な役割を果たした政党です。
Q:ナオロジが書いた本の名前は何ですか?
A:ナオロジが書いた『インドの貧困と非英国支配』という本です。この本には、インドの富がいかに英国に流出していたかが詳しく書かれています。
Q:ナオロジが参加していた第二インターナショナルのメンバーには誰がいますか?
A: ナオロジはカウツキーやプレハーノフとともに第二インターナショナルの一員でした。
Q:誰が何のためにダダバイ・ナオロジ賞を始めたのですか?
A: ニック・クレッグ副首相が2014年に英印関係への貢献に対してダダバイ・ナオロジ賞を始めました。
Q: ナオロジはインドで表彰されたことがありますか?もしあれば、どのように?
A: はい。インド郵政公社は1963年、1997年、2017年にナオロウジに切手を贈っています。
百科事典を検索する