統一原子質量単位(ダルトン・Da/amu)とは:定義・由来・換算

ダルトン(統一原子質量単位)とは何か、炭素12基準からの定義・由来・換算方法を図解でわかりやすく解説する入門ガイド。

著者: Leandro Alegsa

ダルトンまたは統一原子質量単位(略称:amuuDa)は、原子の質量を測定するために使用される単位です。定義上は、単一の炭素同位体である 炭素-12(12C)原子の質量の112 に相当します。すなわち 12C の原子質量を 12 で割った値が 1 u(1 Da)です。

「統一原子質量単位」と「ダルトン」は同じ量を指す別名で、近年は生化学・バイオロジー分野などで「ダルトン(Da)」という表記が広く用いられています。この単位名は、原子説を提唱した18–19世紀の科学者である ジョン・ダルトンにちなんで名づけられた。

定義と国際的な値

厳密な定義:1 u(1 Da)は 12C 原子質量の 112 に等しい。

実用的な換算値(CODATA 推奨値):1 Da ≈ 1.66053906660×10−27 kg(約 1.66053906660×10−24 g)。この値は測定と基準に基づく実用上の換算であり、日常的な計算では四捨五入した値を用いることが多いです。

代表的な換算例

  • 1 Da = 1.66053906660×10−27 kg ≈ 1.66054×10−24 g
  • 1 kDa = 1000 Da(蛋白質などの分子量はしばしば kDa 単位で表す)
  • 水分子(H2O)の質量 ≈ 18.015 u(約 2.99×10−26 kg)
  • 電子質量 ≈ 5.4858×10−4 u(約 9.109×10−31 kg)
  • 陽子質量 ≈ 1.007276 u、 中性子質量 ≈ 1.008665 u(いずれも約 1.67×10−27 kg)

単位記号と使い分け

Da(ダルトン)は学術論文や生化学の分野で一般的に推奨される記号です。uamu も歴史的に広く使われてきた表記であり、現在でも見かけますが、国際単位系(SI)外の補助単位として Da を用いることが一般的です。

歴史と注意点

  • 「原子質量単位」は歴史的にいくつかの定義が存在しましたが、現在は 12C に基づく「統一原子質量単位(unified atomic mass unit)」に統一されています(これにより化学・物理学での不一致が解消されました)。
  • ダルトンは質量のスケールとして非常に便利で、原子・分子の質量比較や質量分析(マススペクトロメトリー)、タンパク質の分子量表示(kDa)などで広く使われています。
  • 換算値は定期的に CODATA 等によって推奨値が更新されるため、高精度の計算では最新の値を参照してください。

用途の例

  • 質量分析:イオンの質量数を Da 単位で報告し、生体分子の同定に利用。
  • 生化学:タンパク質の分子量を kDa(キロダルトン)で表現(例:ヘモグロビンは約 64 kDa)。
  • 物理化学:化学種の相対質量や計算化学の基準値として使用。

まとめると、ダルトン(Da / u / amu)は原子・分子の質量を扱うための共通で便利な単位であり、その定義は 12C の質量の 1/12 に基づきます。用途に応じて kDa 等の接頭語と組み合わせて使われますが、精密な換算が必要な場合は最新の国際的な定数値(CODATA など)を参照してください。



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