アメジスト・アメリア・ケリー(1990年6月7日生まれ)は、イギー・アザレア(Iggy Azalea)という芸名でよく知られているオーストラリアのラッパー、シンガー、ソングライター。シドニーで生まれ、ニュー・サウス・ウェールズ州のマランビンビーで育った。16歳でアメリカに移住したのをきっかけにラップを始める。2011年9月に初のミックステープ『Ignorant Art』をリリース。同作では「My World」と「Pu$$y」の2曲のプロモーションソングを制作した。
アザレアのファースト・アルバム『ザ・ニュー・クラシック』は2013年9月にリリースされる予定だった。その後、2014年にリリースされた。イギリス人シンガーソングライターのCharli XCXをフィーチャーしたアルバムからのシングル「Fancy」は、アメリカとカナダで1位を獲得するとともに、アメリカのビルボード・ホット100で2014年の4番目のパフォーマンス曲となった。続くシングル「ブラック・ウィドウ」では、イギリス人シンガーのリタ・オラをフィーチャーし、ビルボード・ホット100のトップ3に到達した。2014年後半に『Reclassified』というタイトルで再リリースされ、デンマークのレコーディング・アーティストMØをフィーチャーしたシングル「Beg for It」、アメリカのR&BシンガーJennifer Hudsonをフィーチャーしたシングル「Trouble」が収録された。
初期の経歴とスタイル
アザレアは若年時にヒップホップに影響を受け、南部アメリカのラップやアトランタのシーンから大きな影響を受けたフロウと発音を特徴とする。アメリカ移住後は自身の音楽と映像をインターネットで発表し、注目を集めた。ファッションやビジュアル面にも強いこだわりを見せ、ミュージックビデオやステージ衣装が話題になることが多い。
ブレイクと商業的成功
デビュー・アルバム『ザ・ニュー・クラシック』からのヒット「Fancy」は世界的な成功を収め、アザレアを国際的なトップアーティストの一人へ押し上げた。商業的にはシングルの高チャート入りやストリーミング数の増加、音楽番組や大型フェスへの出演などが続き、2014年は彼女のキャリアのピークとなった。アルバムは商業的な成功だけでなく、若い女性ラッパーが主流市場で成功する例としても注目された。
その後の活動と作品
『Reclassified』以降もシングルやコラボレーションを断続的に発表し、リリース計画の変更やレーベル問題により制作が遅れる時期もあった。主なリリースとしては、2018年のEP『Survive the Summer』、2019年のセカンド・スタジオ・アルバム『In My Defense』、そして2021年の『The End of an Era』などがある。これらの作品では、ポップ、トラップ、R&Bなど様々な要素を取り入れたサウンドを展開している。
受賞・評価
アザレアは商業的成功に伴い、各種チャートや音楽賞で注目された。ヒット曲「Fancy」などにより主要な音楽賞へのノミネートも経験しており、ポップとヒップホップの境界を横断する存在として評価されることが多い。一方で批評家からは楽曲ごとの賛否があり、アーティストとしての評価は多面的である。
論争と公的イメージ
アザレアはキャリアを通じて、文化の取り扱いや表現方法に関する議論に巻き込まれることがあった。特に、ヒップホップ文化を取り入れた自身の表現については「文化の適応」や「盗用」をめぐる批判を受ける場面があり、これに対して彼女自身や支持者はアーティストとしてのアイデンティティや表現の自由を主張してきた。また、他アーティストとの公開のやり取りやSNSでの論争も、メディアの注目を集める要因となった。
影響と現在の活動
イギー・アザレアは、オーストラリア出身の女性ラッパーとしてグローバルな成功を収めた数少ない例の一つであり、若い世代のラッパーや女性アーティストに影響を与えている。音楽活動以外でもファッションやブランドとのコラボレーション、映像制作など多方面での活動を続けている。近年は音楽のリリースに加え、ツアーやコラボ楽曲を通じて活動を継続している。
(主な作品) ミックステープ:Ignorant Art(2011)。 スタジオ・アルバム:The New Classic(2014)、In My Defense(2019)、The End of an Era(2021)など。代表シングルには「Fancy」「Black Widow」「Beg for It」「Trouble」などがある。