ボードウォーク・エンパイアは、アメリカのテレビドラマシリーズです。テレンス・ウィンター(Terrence Winter)が企画・制作を手掛け、かつて同氏が手掛けたザ・ソプラノズ(The Sopranos)も知られています。シリーズはネルソン・ジョンソンのノンフィクション書籍The Birth, High Times and the Corruption of Atlantic Cityを原作としており、1920年代の禁酒法時代に繁栄と腐敗が渦巻くアトランティックシティを舞台にしています。パイロット版はマーティン・スコセッシが監督を務め、2010年9月19日にHBOで放送開始。全5シーズンにわたり(2010年〜2014年)、国内外で高い評価を受けました。プロデューサーには、番組「Entourage」のプロデューサーも務めたマーク・ウォールバーグらが名を連ねています。この作品は、アトランティックシティの初期のボードウォークと、アル・カポネ、ラッキー・ルチアーノ、実在の政治家であるエノック・“ナッキー”・ジョンソン(劇中ではナッキー・トンプソンとして描かれる)など、伝説的なギャングや実在人物の台頭をフィクションを交えて描いています。
あらすじ(概要)
物語は、禁酒法下の1920年代アトランティックシティを中心に展開します。主人公ナッキー・トンプソン(実在のエノック・ジョンソンをモデル)は政治力と犯罪ネットワークを駆使して利権を掌握しようとするが、地方政治、ライバルのギャング、連邦捜査当局との対立が複雑に絡み合っていきます。個人の野心や裏切り、家族関係といった人間ドラマと、社会的・歴史的事件が重層的に描かれるのが特徴です。
制作とキャスト
- 主演はスティーヴ・ブシェミ(Nucky Thompson役)をはじめとする豪華キャストで、常連の映画・舞台俳優が多数出演しています。
- パイロットの制作費は約1,800万ドルとされ、セット・衣装・撮影に大きな投資がなされました。
- 撮影は当時の雰囲気を忠実に再現するため、大規模なセット建設や時代考証が行われ、映像美と美術が高く評価されました。
評価と受賞歴
シリーズは発表当初から批評家の注目を集め、演出・演技・美術・衣装などが称賛されました。ボードウォーク・エンパイアは多数のエミー賞にノミネートされ、複数の受賞歴があります。また、国際的にも評価されており、ゴールデン・グローブ賞の最優秀ドラマ・テレビシリーズ賞など主要な賞を獲得しています。
歴史的要素と影響
シリーズには聖バレンタインデーの大虐殺のような実際の事件が劇中で扱われ、史実に基づく登場人物や出来事を織り交ぜつつフィクションとして再構成しています。歴史的背景を踏まえたリアリズムあふれる描写と、登場人物の人間的な葛藤描写が視聴者や批評家の支持を集めました。
全体として『ボードウォーク・エンパイア』は、禁酒法時代のアメリカ社会を舞台にした大作ドラマとして、制作規模・演出・史実との絡め方のいずれにおいても高い評価を受けているシリーズです。

