リック・ウェイクマン(1949年5月18日生まれ)は、ロックおよびプログレッシブ音楽の分野で長く活躍してきたイギリスのキーボード奏者、作曲家である。ミドルセックス州パイヴェールに生まれ、1970年代初頭にバンドでの活動と意欲的なソロ録音の両面で注目を集めた。ウェイクマンの仕事は、バンド加入、オーケストラを伴うロック作品、ソロのコンセプト・アルバム、さらにセッション・ミュージシャンや放送人としての活動まで幅広い。
経歴のハイライト
ウェイクマンは、Yesのキーボード奏者として最もよく知られている。緻密な編曲とクラシック音楽的な傾向は、バンドのサウンドを形づくる決定的な要素となった。また、旧メンバーとともに短命のスーパーグループAnderson Bruford Wakeman Howeでも活動した。バンド以外では、ロック・バンド、オーケストラ、語りを組み合わせた大規模なソロ作品とライブで独自の存在感を築いた。
代表作と録音
- The Six Wives of Henry VIII — 作曲面とキーボードの技巧を示したインストゥルメンタルのコンセプト・アルバム。
- Journey to the Centre of the Earth — 文学作品を題材にしたロックとオーケストラの融合で、オーケストラや語り手を伴う演奏が行われた。
- シンセサイザー、オルガン、ピアノ、オーケストラ的な響きを組み合わせた多数のスタジオ盤とライヴ盤。
音楽スタイルと楽器
正統的なピアノ教育を土台に、ウェイクマンはクラシックの技法とロックの感性を融合させ、プログレッシブ・ロックの一部を特徴づけることに貢献した。使用する鍵盤楽器の幅も広く、グランドピアノ、ハモンドオルガン、メロトロン、ミニモーグ、そして後年のデジタル・シンセサイザーまでを使い分けた。編曲では旋律線、キーボードの和声、主題性との強い結びつきがしばしば重視される。
舞台上では、複数のキーボード・セット、衣装的な要素、そして大作にふさわしいスペクタクル性で知られるようになった。コンサートはしばしばバンド演奏、オーケストラ的な部分、朗読、視覚的な演出を交え、物語性のある公演として構成された。
演奏以外でも、セッション・ミュージシャン、作曲家、放送人として活動し、映画、テレビ、ラジオの仕事にも関わりながら、継続的に録音を続けてきた。家族には職業音楽家である2人の息子、オリヴァー・ウェイクマンとアダム・ウェイクマンがおり、音楽の伝統は受け継がれている。
ウェイクマンの経歴は、卓越した鍵盤技術、野心的なコンセプト作品、そしてライヴでの演劇的な魅力を組み合わせた点で特筆される。プログレッシブ・ロックやシンフォニック・ロックを探る聴き手にとって、彼の録音は、クラシックの影響を現代のポピュラー音楽へ統合する方法を示す、わかりやすい例となっている。