サー・ショーン・トーマス・コネリー(Sir Sean Thomas Connery、1930年8月25日生 — 2020年10月31日没)は、スコットランドの俳優である。映画史に残る魅力的な風貌と低く官能的な声で知られ、数々の賞を受賞した。アカデミー賞、BAFTA賞2回(うち1回はBAFTAアカデミー・フェローシップ賞)、ゴールデングローブ賞を複数回受賞するなど、その功績は国際的に高く評価されている。特に1960年代に始まる一連の作品でジェームズ・ボンドを演じ、一躍世界的なスターとなった。
生い立ちと俳優への道
エディンバラの労働者階級の家庭に生まれ、若年で学校を離れて様々な職業を経験した後、十代で海軍に入隊した。退役後はボディービルダーやモデル、舞台経験を経て演技の世界へ進出。徐々にテレビや舞台で存在感を示し、1962年の『ドクター・ノオ(Dr. No)』でジェームズ・ボンド役に抜擢されることで、国際的に名声を得た。
ジェームズ・ボンドと代表作
コネリーは、公式のEONプロダクション作品で以下のボンド映画に主演した。
- Dr. No(1962)
- From Russia with Love(1963)
- Goldfinger(1964)
- Thunderball(1965)
- You Only Live Twice(1967)
- Diamonds Are Forever(1971)
また、非EON作品ながら1983年に復帰出演した『Never Say Never Again』も含め、コネリーのボンド像は多くの後続の俳優に影響を与えた。ボンド役のほかにも、幅広いジャンルで印象的な役を残している。主な代表作には次のような作品がある:
- 『ネーム・オブ・ザ・ローズ』(The Name of the Rose、1986年) — 知的な修道士役
- 『ハイランダー/悪魔の戦士』(Highlander、1986年) — 劇中の重要な人物役
- 『アンタッチャブル』(The Untouchables、1987年) — この演技でアカデミー賞(助演男優賞)を受賞
- 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(Indiana Jones and the Last Crusade、1989年) — インディの父親役
- 『レッド・オクトーバーを追え!』(The Hunt for Red October、1990年)
- 『ザ・ロック』(The Rock、1996年)
- 『イントラップメント』(Entrapment、1999年)
受賞歴と栄誉
コネリーはその長年にわたる功績により、多数の主要映画賞を受賞・受章している。代表的なものとして、映画界での卓越した演技に対するアカデミー賞(助演男優賞)、複数のBAFTA賞(うち1回はBAFTAアカデミー・フェローシップ賞による生涯功労の称号)、ゴールデングローブ賞(セシル・B・デミル賞など)などが挙げられる。2000年には女王よりナイトの爵位を授与され、正式に「サー(Sir)」の称号を得た。
演技の特色と影響
低い声と落ち着いた佇まい、男らしい魅力を併せ持つコネリーの演技は、スクリーン上の存在感を強調した。アクションと知性を兼ね備えたボンド像を確立しただけでなく、シリアスなドラマや歴史もの、スリラーなど多様な役柄をそつなく演じ分けた。多くの俳優や監督が彼を高く評価しており、映画史に残る俳優の一人とされている。
私生活・晩年・死
私生活では家族や友人を大切にし、晩年は公の場への露出を控えることが多くなった。長年の活躍の後、徐々に出演作を減らしつつも時折スクリーンに登場した。2020年10月31日にバハマで90歳で逝去し、多くのファンや映画関係者から惜しまれた。
遺産
サー・ショーン・コネリーは、単に一時代の映画スターであっただけでなく、スクリーン上の魅力・存在感の基準を引き上げた俳優として記憶される。ジェームズ・ボンド像を築き上げた功績、幅広いジャンルで見せた演技力、受賞歴や栄誉は、後世の映画人に大きな影響を与え続けている。