ロシアより愛をこめては、イーオン・プロダクションが製作したジェームズ・ボンド映画の第2作目である。また、ショーン・コネリーが架空のMI6諜報員ジェームズ・ボンドを演じた2作目でもある。1963年に公開され、アルバート・R・ブロッコリとハリー・サルツマンが製作を担当、監督はテレンス・ヤングが務めた。『ロシアより愛をこめて』は、イアン・フレミングが1957年に書いた同名の小説を原作としている。映画の中心プロットは、ジェームズ・ボンドがトルコのソ連領事館員Tatiana Romanovaの亡命を支援する任務に就く一方、国際犯罪組織SPECTREがボンドによるDr. Noの死への復讐を計画する、というものである。公開後は高い評価を受け、Rotten Tomatoesはこの作品に96%の評価を与えている。

あらすじ(簡潔)

ソ連の暗号機「レクター(Lektor)」の情報入手を目的に、イギリス情報部はソ連側の女性職員タチアナ・ロマノワ(Tatiana Romanova)を偽の亡命者として利用する計画を立てる。彼女を迎えに行く役目を担ったジェームズ・ボンドは、トルコ(主にイスタンブール)や列車(オリエント急行)で暗殺者ドナルド・“レッド”・グラントやSPECTREの手先と対峙する。任務の裏にはSPECTREによる巧妙な罠が張られており、ボンドは生き残りつつ情報を守り抜かなければならない。

主要キャストと登場人物

  • ジェームズ・ボンド — ショーン・コネリー
  • タチアナ・ロマノワ — ダニエラ・ビアンキ(Tatiana Romanova)
  • ケリム・ベイ — ペドロ・アルメンダリス(イスタンブール現地協力者)
  • ローザ・クレブ(Rosa Klebb) — ロッテ・レーニャ(SPECTREの幹部)
  • ドナルド“レッド”・グラント — ロバート・ショー(暗殺者)
  • M、ミス・マネーペニー、Q — (それぞれバーナード・リー、ロイス・マクスウェル、デズモンド・リュウェリンが出演)

この作品では、後のシリーズに不可欠な組織SPECTREが映画版として本格的に登場し、シリーズを通じての宿敵の存在が示唆される。また、Q(武器開発責任者)が映画シリーズに初登場する作品としても知られる。

制作・撮影・音楽

ロケーションは主にイスタンブールやその周辺、スタジオセット撮影はPinewood Studiosなどで行われた。列車内の格闘シーンや港の追跡劇など、屋外ロケとスタントを組み合わせた映像が特徴的で、スパイ映画としてのリアリズムと国際感が高く評価された。タイトル曲「From Russia with Love」はマット・モンローが歌い、劇中の雰囲気を盛り上げている。

評価・影響

公開当時から批評的・商業的に成功を収め、シリーズ第1作『ドクター・ノオ』のヒットを受けてボンド映画が定着する契機となった。多くの評論家やファンは本作をシリーズ屈指の出来と評価し、緊張感のある脚本、敵役の魅力、異国情緒あふれるロケーション描写、ショーン・コネリーのボンド像が高く評価されている。現代のレビューサイトでも高得点を獲得しており、スパイ映画史における重要作の一つとされる。

見どころ

  • イスタンブールでの追跡劇とオリエント急行での格闘シーン
  • ローザ・クレブやレッド・グラントといった個性的な敵役
  • SPECTREの陰謀とシリーズ全体への伏線
  • タイトル曲と映画音楽が作るムード

以上の点から、『ロシアより愛をこめて』は初期ボンド作品の代表作であり、以降のシリーズやスパイ映画に与えた影響も大きい。初めて観る人にも、シリーズファンにも薦められる一本である。