スティーヴン・クラッシェン|第二言語習得理論家・教育擁護者
第二言語習得に関する影響力の大きい仮説、バイリンガル教育と自由自発的読書の提唱で知られる言語学者・教育研究者。南カリフォルニア大学の名誉教授。
スティーヴン・クラッシェンは、人々が第二言語をどのように習得するかについての現代的な見方の形成に大きな影響を与えた、アメリカの言語学者・教育研究者である。南カリフォルニア大学の名誉教授を務め、1994年に言語学部の教員から教育学部へ移った。学術活動に加え、バイリンガル教育、読書推進の取組、理解と意味のあるインプットを重視する教育方針を積極的に提唱してきた。
理論と中核的な考え方
クラッシェンは、言語学習に関する相互に関連した一連の仮説を提唱した。これらの仮説は応用言語学と言語教育学で広く論じられ、検証されてきた。明示的な文法反復練習よりも、自然な状況での理解に基づく学習を重視する点が特徴である。主な仮説は以下のとおりである。
- 習得・学習仮説:意味のある言語使用を通じた無意識的な「習得」と、形式的規則を意識的に「学習」することを区別する。
- モニター仮説:意識的な知識は、一定の条件下でのみ、言語産出を修正・監視できるとする考え方。
- 自然習得順序仮説:文法構造は、概して一貫した順序で習得されるとする。
- インプット仮説(i+1):学習者は、現在の水準をわずかに超える理解可能なインプットを受け取ることで進歩する。
- 情意フィルター仮説:感情面や動機づけの要因が、言語の取り込みを促進も阻害もするとする。
著作と授業への影響
クラッシェンの考えは1970年代から1980年代にかけて影響力のある書籍や論文で提示され、現在も教育実践に影響を与え続けている。代表作にはPrinciples and Practice in Second Language Acquisitionおよび、トレイシー・テレルとの共著The Natural Approachがある。また、自由自発的読書(FVR)を、文章に広く、意味のある形で触れることを通じて、語彙、文法、リテラシーを育む方法として推進してきた。
応用と影響
クラッシェンの理論は、理解可能なインプット、内容重視の指導、楽しみのための読書を優先する手法に影響を与えてきた。多くの言語プログラムでは、孤立した文法指導ではなく、豊かで理解しやすいインプットを与える聞く活動や読む活動が重視されている。彼の提唱はバイリンガル教育政策にも及び、生徒が本に触れ、読書に充てる時間を増やすための取組にも及ぶ。
論争と遺産
クラッシェンの仮説は多くの研究を促す一方、とりわけ明示的指導と訂正的フィードバックの役割をめぐって批判も受けてきた。それでも彼の研究は第二言語習得をめぐる議論の礎石であり続けている。教育者や研究者は現在も彼の考えを参照し、検証しており、その公的な提唱活動は研究知見と教育政策を結び付けてきた。学術上の所属や初期の言語学分野での職歴については、USC言語学部を参照。
著者
AlegsaOnline.com スティーヴン・クラッシェン|第二言語習得理論家・教育擁護者 Leandro Alegsa
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