大隅良典とは?オートファジー発見の細胞生物学者・2016年ノーベル賞受賞

大隅良典 — オートファジー発見で2016年ノーベル生理学・医学賞受賞。細胞リサイクルの解明と京都賞受賞、研究と業績を分かりやすく紹介

著者: Leandro Alegsa

大隅 良典(おおすみ よしのり、1945年2月9日 - )は、日本の細胞生物学者。細胞のオートファジーの仕組みの発見により、2016年生理学・医学賞を受賞した。

オートファジーとは、細胞が細胞成分を分解し、再利用するためのプロセスです。これにより、細胞成分の秩序あるリサイクルが可能になる。オートファジーは飢餓時の栄養供給だけでなく、変性タンパク質や損傷した細胞小器官の除去、感染応答や細胞の恒常性維持、発生や老化にも深く関わる重要な仕組みです。

東京工業大学フロンティア研究機構教授。2012年京都賞(基礎科学部門)受賞。

経歴と研究の概要

大隅氏は長年にわたり酵母(Saccharomyces cerevisiae)をモデル生物として用い、オートファジーの分子機構を解析してきました。酵母を使った遺伝学的スクリーニングや顕微鏡観察により、オートファジーに必須な遺伝子群(ATG遺伝子群)を同定し、その働きや制御機構を解明しました。これらの成果は、真核生物一般に保存されたオートファジーの基本原理を明らかにしました。

オートファジー発見の意義

  • 基礎生物学の進展:オートファジーは細胞内の不要物や損傷を除去する主要な経路であることが示され、細胞の恒常性維持における中心的役割が明らかになりました。
  • 医学への応用可能性:神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)、がん、感染症、代謝疾患、老化研究など幅広い分野でオートファジーが重要なターゲットとして注目されるようになりました。
  • 研究手法の標準化:酵母を用いた遺伝学的アプローチや分子生物学的解析は、他のモデルでもオートファジーを研究するための基盤を提供しました。

代表的な業績

  • 酵母を用いたオートファジー欠損変異株の単離と解析により、オートファジーに必須の遺伝子群(ATG遺伝子)の同定。
  • オートファゴソーム形成や分解過程の分子機構の解明(タンパク質の相互作用やコンジュゲーション系など)。
  • オートファジーが細胞の栄養状態やストレス応答に応じて動的に制御されることの実証。

受賞と評価

  • 2016年:ノーベル生理学・医学賞(オートファジーの仕組みの解明に対して)。
  • 2012年:京都賞(基礎科学部門)。

これらの受賞は、オートファジー研究が生命科学と医学研究に与えた大きな影響を国際的に認められたものです。

教育・社会への貢献

研究室での後進育成や国内外の研究者との共同研究、学会活動を通じて、オートファジー研究の普及と発展に貢献してきました。また、一般向けの講演や解説を通じて、基礎研究の重要性やその社会的意義について発信しています。

現在の研究と展望

オートファジー研究は現在も活発で、分子機構のさらなる精密化、疾患における役割の解明、治療標的としての活用法の探索が続いています。大隅氏の業績はこの分野の基礎を築き、今後の応用研究や新しい治療法開発の指針となっています。

(注)本記事は大隅良典氏の主要な業績とオートファジーの意義を概説したものであり、個別の論文や細部の年表については専門文献や公的な経歴資料を参照してください。



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