グロック18とは|9x19mmパラベラム・セレクティブファイア式フルオート拳銃の概要と仕様
グロック18の特徴・性能・仕様を詳解。9x19mmのセレクティブファイア&フルオート性能、装弾数・連射特性、取り扱い上の注意点までわかりやすく紹介。
グロック18は、セレクティブファイア(セミオート、フルオートのどちらにも対応)、ポリマーフレームの9x19mmパラベラム拳銃です。グロック17をベースにしているが、グロック17とは異なり、フルオートで発射することができる。通常33発入りのボックスマガジンを装着し、1分間に1,200発を発射する。つまり、フルオートでは単発の射撃ができないほどの速さで発射される。片手で撃てるほど軽い反面、連射速度が速いためキックバックが大きく、あまりお勧めできない。
概要と歴史
グロック18はオーストリアのGlock GmbH(現:Glock Ges.m.b.H.)が設計したセレクティブファイア型の自動拳銃で、1980年代に開発されました。基本的には民間向けのグロック17を基にしており、軍・法執行機関向けにフルオート射撃機能を追加したモデルです。高い発射速度と携行性を兼ね備えているため、狭い空間での近接戦闘や特殊任務向けに採用されることが多い反面、制御の難しさや法規制の面から一般市民の所持は厳しく制限されています。
設計と特徴
- 口径:9x19mm パラベラム(ナト弾)
- フレーム:ポリマーフレームを採用し、軽量で耐久性が高い。
- セレクティブファイア:セミオート(単発)とフルオート(連射)を切り替え可能なセレクターを備えます。切替はスライド側面のレバーで行う仕様が一般的です。
- 安全機構:一般的なグロックの「セーフアクション」(トリガーセーフティ、ファイアリングピンセーフティ、ドロップセーフティ)を継承していますが、フルオート運用時の安全性や制御性については特別な注意が必要です。
- リコイルコントロール:サイクルレートが非常に高いため、フルオート射撃時はマズルジャンプ(跳ね上がり)や反動が大きく、通常は両手でしっかり保持することが推奨されます。後のバリエーション(18Cなど)ではバレルやスライドにポート加工を施し、反動低減を図ったモデルも存在します。
バリエーション
代表的なバリエーションに「グロック18C」があり、これはスライドや銃身にポートを設けたコンペンセイテッド(反動低減)モデルです。後年には世代改良(Gen4、Gen5ベースの仕様)に準じた改良が加えられた個体も存在します。マガジン容量や付属アクセサリ(フォアグリップ、ライト、サプレッサー対応のスレッド化など)は用途やカスタムにより多様です。
運用・使用例
軍・警察の特殊部隊、要人警護、近接戦闘を想定した部隊などで採用例があります。その高い連射力は短時間で目標を制圧する利点がある一方で、弾薬消費の速さや命中精度維持の難しさ、制御性の問題があるため、使用には訓練が不可欠です。また、違法流通や犯罪利用の問題から、多くの国でフルオート射撃が可能な拳銃は厳しく規制されています。
主な仕様(参考値)
- 口径:9x19mm パラベラム
- 作動方式:ショートリコイル(グロックの基本機構)
- 発射方式:セミオート / フルオート(セレクター切替式)
- レートオブファイア:約1,200発/分(連射時の理論値、実戦では制御や給弾で変動)
- マガジン:17発(標準グロックマガジン)や33発の延長マガジンなど。市販・軍用で複数種類が存在。
- 外寸:基本的な寸法はグロック17とほぼ共通(全長約186mm、銃身長約114mm程度)
- 重さ:ポリマーフレームのため軽量(グロック17と同等クラス)
法的・倫理的注意
フルオート射撃が可能な銃器は多くの国・地域で厳しく規制されています。民間での所持や運搬は許可制か禁止されていることが一般的で、法令に従わない所持・使用は重大な犯罪となります。この記事は装備の概要と歴史的・技術的な説明を目的としており、違法行為や危険な使用法を助長するものではありません。
まとめ
グロック18は、グロック17をベースにフルオート射撃機能を付加したセレクティブファイア拳銃で、高速連射という特性を持ちます。その利点は近接戦闘での制圧力ですが、反動や制御の難しさ、法規制の厳しさといった点から運用や所持には専門的な訓練と法的な手続きが必要です。
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