英国内務省(Home Office)とは — 移民・治安・テロ対策とMI5の役割
英国内務省(Home Office)の役割を解説:移民・ビザ管理、治安と法の維持、テロ対策やMI5との連携など政策と現場業務の全貌を分かりやすく紹介。
Home Office(HO)は、英国政府の中央閣僚部門の一つで、国内の安全と公共の秩序に関する広範な政策・行政を担っています。主な担当分野は、移民・国境管理、国内の治安と警察政策、テロ対策、刑事対策、および犯罪予防などです。
主な役割と責任
- 移民・ビザ:入国管理、滞在許可、難民・庇護政策などを含み、ビザや出入国管理に関する制度設計と運用を行います(移民関連)。
- 治安と警察政策:イングランドとウェールズの警察に対する政策立案や資金配分などを担当します。地方警察の運用は各地域の首席警察官(Chief Constable)や警察・犯罪委員会が行いますが、HOは国家レベルの枠組みや法整備、資金支援を行います(治安)。
- 消防・レスキュー:イングランドにおける消防・レスキューサービスの政策監督や基準整備に関与します。
- 国家安全保障・テロ対策:国内のテロリズム対策、国内治安に関する政策を統括します(テロ対策)。また、諜報機関や法執行機関と連携して対処します。
- 薬物・犯罪対策:違法薬物に関する政策立案や犯罪対策を進めます(麻薬)。
- 諜報・安全保障機関との関係:国内の対テロ・対諜報活動に関わる機関(例:セキュリティサービス(MI5)など)との協調と総括的な政策責任を負います。
組織と関連機関
Home Office自体は政策決定と監督を担い、実務は複数の下部機関や準独立機関が行います。主な関連組織には、国境管理や入国審査を担当する機関、移民取り締まりの実務部門、パスポート業務を行う部門などがあります。また、諜報機関や治安当局(例:MI5、国家犯罪局など)とは政策面・運用面で緊密に連携します。なお、治安や司法の一部の分野はスコットランドや北アイルランドでは別の制度があり、HOの管轄と異なる点があります。
ガバナンスと説明責任
同局を担当する閣僚は内務大臣(Home Secretary)で、任命された閣僚が政務を監督します。過去の内務大臣にはプリティ・パテル氏などがいますが、任命は政権の判断によって変わります。Home Officeは議会に対して責任を負い、議会の選定委員会や監査機関による監督を受けます。
歴史と論争点
内務省は長い歴史を持ち、近代国家の治安・司法・移民政策を担う中心省庁として発展してきました。一方で、移民政策や出入国管理、強制送還、監視制度、難民対応などの分野では社会的・政治的な論争が起きやすく、例えば過去には移民関連での不適切な扱いが問題となった事例(例:Windrushスキャンダル)や、国家の監視権限に関する議論が起きています。これらは法制度の見直しや運用改善の課題として現在も継続的に議論されています。
まとめ(ポイント)
- Home Officeは英国の国内安全、移民、警察政策などを担当する中枢的な省庁です。
- イングランドとウェールズの警察、イングランドの消防・レスキューサービス、ビザ・入国管理、国家安全保障に関わる政策など幅広い領域を扱います。
- 諜報機関(MI5等)や独立機関と協力してテロ対策や重大犯罪に対応しますが、その権限と運用は常に議会や市民の監視下にあります。

ロンドン北部に設置された内務省移民局の車両。
質問と回答
Q: 内務省は何を担当していますか。A: 内務省は英国の移民、安全保障、法と秩序を管轄しています。イングランドとウェールズの警察、イングランドの消防・救助サービス、ビザ・移民、保安局(MI5)も管轄しています。
Q: 内務省を担当する閣僚は誰ですか?
A: 内務省を担当する閣僚は内務大臣で、現在はプリティ・パテルです。
Q:内務省は公式文書や議会では何と呼ばれていますか?
A: 内務省は大国官庁のひとつであり、公式文書や議会では内務省と呼ばれています。
Q:内務省はどのような安全保障問題を担当していますか?
A: 内務省は、麻薬、テロ対策、IDカードなど、安全保障に関する政府の政策を担当しています。
Q:内務省は英国政府の閣僚部局ですか?
A: はい、内務省は英国政府の閣僚部局です。
Q:内務省はどの国の警察を担当していますか?
A: 内務省はイングランドとウェールズの警察を担当しています。
Q:イングランドの消防・救助サービスを管轄しているのはどこの政府機関ですか?
A: 内務省はイングランドの消防・救助サービスを管轄しています。
百科事典を検索する