ブリア・サヴァラン(トリプルクリームチーズ)とは — 特徴・製法・味わいとペアリング
ブリア・サヴァランの特徴・製法・味わいと最適ペアリングを徹底解説。クリーミーな魅力とおすすめワイン・酒・果物の組み合わせも紹介。
ブリヤ=サヴァランは、18世紀のフランスの美食家ジャン・アンテルメ・ブリヤ=サヴァランにちなんで名付けられた、乾物中の脂肪分が75%以上(全体の脂肪分は約40%)の、柔らかくて白いクラストを持つ牛乳のチーズです。このチーズは1930年代にチーズメーカーのアンリ・アンドロエによって作られました。
ブリヤ=サヴァランは、主にノルマンディー地方で一年中生産されています。12~13cm、厚さ約4cmのホイル状のものがあり、1~2週間熟成されます。濃厚なクリームチーズのようなフレッシュチーズ(ノンアフィン系)もあります。
クリーミーでほのかに酸味のあるトリプルクリームのブリーです。メジュールデーツとの相性はもちろん、シャンパンとの相性も抜群です。そのクリーミーさとブリーの香り、そしてほんのりとしたキレの良さから、「大人のためのデライラ」「天国のデライラ」と言われています。
赤ワインとのペアリングは難しい。ブリヤ・サヴァランは熟すと塩気が強くなり、赤ワインの味を邪魔することがあります。ペールエールやシャンパンとの相性は抜群です。炭酸が口に含んだ時の太った感じを払拭し、モルトがチーズのクリーミーさを引き立ててくれます。
フランスのチーズ製造会社ルゼールでは、ピエール・ロベールの名で古いブリヤ・サヴァランも製造しています。余分な時間をかけて熟成させることで、チーズに含まれるタンパク質と塩分が濃縮され、土のような深い味わいと塩分の強い味わいが生まれます。ピエール・ロベールのホイールは、通常のブリヤ・サヴァランよりも短く(水分が失われるため)、クリーミーです。
特徴(まとめ)
- 種類:トリプルクリーム(乾物中脂肪分75%以上)
- 原料:牛乳(伝統的にはノルマンディーの乳)
- 外観:柔らかい白カビ(ブルーミーリンド)で覆われた円盤型
- サイズ:一般に直径12〜13cm、厚さ約4cm
- 熟成期間:通常1~2週間、長期熟成のバリエーションあり
- 食感:中心は非常にクリーミーでなめらか、熟成が進むととろりと溶けるようになる
- 風味:バターやクリームのリッチさ、ブリー特有の森やきのこを思わせる香り。熟成が進むと旨味と塩味が際立つ
製法のポイント
基本的には高脂肪のクリームを加えた牛乳を凝固させ、レンネットで固めてからホエーを切り出し、型に入れて成形します。表面には白カビ(Penicillium camembertiなど)を付着させ、低温で短期間熟成させることで、外側は白カビのやさしい香り、内側は非常にリッチなクリーミーさを保ちます。トリプルクリームに仕立てるためにクリームを添加する工程が特徴です。
味わいと食感の変化
若いうちは比較的しっかりした中心とクリーミーさを併せ持ち、食べやすい酸味と乳香があります。熟成が進むと中心がとろりと流れるようになり、香りはより発酵系(きのこ、酵母)やアーモンド、バターのような濃厚さを帯びます。過熟になるとアンモニアのような刺激が出ることがあるため、好みの熟度を見極めてください。
おすすめのペアリング
- 発泡性ワイン:シャンパンやクレマンなどの辛口スパークリングは、脂肪分を切り、香りを引き立てるため王道の組合せです(元の本文の通り)。
- ビール:ペールエール、セゾン、ピルスナーなどの炭酸とモルト感がクリーミーさを爽やかに整えます。濃厚なスタウトは圧倒することがあるので注意。
- 白ワイン:樽香の穏やかなシャルドネや、リッチなソーヴィニヨン・ブラン系(軽やかなもの)が合います。
- 軽めの赤ワイン:タンニンの少ない若いガメイ(ボジョレー)や軽めのピノ・ノワールなら合わせられる場合がありますが、一般に濃厚で塩味の出たブリヤ=サヴァランは重い赤とは相性が悪いです。
- その他:ノルマンディーのリンゴのシードル、はちみつ、ドライフルーツ(メジュールデーツなど)、ナッツ、クラックersやバゲットが良く合います。
保存と提供のコツ
- 購入後は冷蔵庫(約2〜6℃)で保存。開封後は風味が落ちやすいので早めに食べ切るのが望ましい。
- 保存時はラップではなく、チーズペーパーやパーチメント紙で包むと蒸れを防ぎ風味を保てます。長期保存は向かない種類です。
- 食べる30〜60分前に冷蔵庫から出して室温に戻すと、クリーミーさと香りが最も引き立ちます。
- カットする場合は、ホイールをくさび形に切るか、スプーンで中心をすくって提供すると見た目・食感ともに楽しめます。
購入のポイントと栄養
- 「トリプルクリーム」と表示されたものを選ぶと、典型的な濃厚さが楽しめます。
- 原産地表示や熟成日を確認し、好みの熟度を選びましょう。製造者によって風味の差が大きいです。
- 高脂肪・高カロリーなので少量で満足感が得られます。食べ過ぎに注意。
類似のチーズ
- ブリー・ド・モーやブリー系のトリプルクリーム(例:ブリ・オ・トリュフなどのフレーバードバリエーション)
- フロマージュ・ブラン系のリッチなもの(ただし質感や製法は異なる)
- ピエール・ロベールなど、同じトリプルクリーム系で熟成を変えたバリエーション
総じて、ブリヤ=サヴァランはリッチでやわらかな口当たりと複層的な香りが魅力のチーズです。シンプルにパンやフルーツと合わせるだけでも満足度が高く、飲み物とのペアリング次第で印象が大きく変わるため、いろいろ試して自分好みの組み合わせを見つけてください。
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質問と回答
Q:ブリヤ・サヴァランはどのようなチーズですか?
A:ブリヤ・サヴァランは、乾物中の脂肪分が75%以上(全体では約40%)の、柔らかくて白濁した牛乳のチーズです。
Q: このチーズは誰が作ったのですか?
A: 1930年代にチーズ職人のアンリ・アンドルーエによって作られました。
Q: ブリヤ・サヴァランはどのくらいの厚さですか?
A: ブリヤ・サヴァランのホイールは12-13cmの厚さで、約4cmの厚さです。
Q: このチーズのフレッシュバージョンはありますか?
A: はい、濃厚なクリームチーズに似たフレッシュチーズ(ノンアフィネ)もございます。
Q: このチーズはどんな味ですか?
A: クリーミーでかすかな酸味があり、「大人のためのデイリーア」「デイリーアが天国で味わう味」と言われています。
Q: ブリヤ・サヴァランにはどんな飲み物が合いますか?
A:メジュールデーツのほか、シャンパン、ペールエール、シャンパーニュにもよく合います。炭酸が口の中の脂っぽさを拭い去り、モルトがチーズのクリーミーさを引き立てるのです。
Q: このチーズの古いバージョンはありますか?
A: はい、フランスのチーズ製造会社RouzaireはPierre Robertという古いバージョンを製造しており、通常の熟成したBrillat Savarinよりも土の香りが深く、塩味も強くなっています。
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