ブリタニア(Britannia)とは:アルビオン起源からローマ属州・象徴まで

ブリタニアの起源からローマ属州化、アルビオンとの関係、象徴的女神像までを解説する歴史ガイド。地名変遷と文化的影響を詳述。

著者: Leandro Alegsa

Britannia)は、ラテン語イギリスの名称であった。紀元43年にローマ人が侵攻してきた後、ブリタニアはグレートブリテンの主要部分であるローマ州に使われた。それはイングランドを中心に、ウェールズや(時には)スコットランド南部を含んでいた。ローマ支配期には道路・城塞・都市が整備され、ローマの行政と軍事がこの地域で展開された。

名称と古代の記録

ブリタニアという呼称は古典古代の文献にも現れる。長老プリニウスは、彼の博物誌(4.16.102)で次のように記している。

"それ自体はアルビオンと名づけられた" "すぐに簡単に話すことになるすべての島々は ブリタニアエと呼ばれた"

また、紀元2世紀の地理学者プトレマイオスもその著作で「アルビオン」という古名を用いている。一般に「アルビオン」は古代ケルト系の呼称で、白い崖(“white cliffs”)に由来するとされることが多い。

中世以降の用法と王権の表現

中世および中世後期にも、ブリタニア/アルビオンの語は王権や国家の称号として用いられた。930年、イギリス王Æthelstanは、REX et primicerius totius Albionis regni(「アルビオン王国全体の王であり首長」)という称号を用いた。甥のエドガー王は970年にTotius Albionis imperator augustus(アルビオン全土の皇帝に相当する称号)と名乗った。アルフレッド大王はも文献中でブリタニアという語を用いている。

言語的変遷

語形は時代と地域で変化した。旧フランス語ではBretaigne(ブレテーニュ)現代フランス語でBretagne(ブレターニュ)となり、中英語ではBretayne、Breteyneなどの形が見られる。これらのフランス語系の形はやがて、旧英語のBreoton、Breoten、Bryten、Breten、Breoton-lond、Breten-londなどに置き換わっていった。

ブリタニアの擬人化(象徴)としての発展

「ブリタニア」は単なる地名にとどまらず、島を象徴する女性像としての擬人化(ペルソナ化)でも知られる。ローマ帝政期のコインや彫刻には、征服された地方の擬人像が描かれることがあり、ブリタニアもその一つとして女性像で表現された記録が残る。

中世以降は断続的に描かれ続け、近世にはより明確な国家象徴として確立される。17世紀以降、ブリタニアは英国のコインや図像芸術、政治的寓意画に頻繁に登場するようになり、三叉の鉾(トライデント)・楯・兜・座位などの意匠が定着した。特にコイン図案として復活して以降、海軍や帝国主義を象徴する像として用いられることが多い。

現代における意義

今日、「ブリタニア」は歴史的・文化的な呼称として残るだけでなく、イギリス本土や英連邦に関する象徴的表現として広く認識されている。貨幣、記念碑、軍事・海事の図像、ポピュラー文化や政治的表象の中で、国家や海洋国家としての「ブリタニア」のイメージは現在も再解釈され続けている。

以上のように、ブリタニア(Britannia)は古代の地名としての起源を持ちながら、ローマ属州や中世の王権称号を経て、やがて擬人化された国家の象徴へと発展した言葉である。

ブリタニアを 描いたプリマスのナショナル・アルマダ記念碑Zoom
ブリタニアを 描いたプリマスのナショナル・アルマダ記念碑

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質問と回答

Q:ブリタニアとは何ですか?


A: ブリタニアは三叉の矛と盾を持ち、兜をかぶった女性として、イギリスの国家的な擬人化です。

Q: ブリタニアのイメージはいつから使われていたのですか?


A:ブリタニアのイメージが最初に使われたのは、古典的な古代の時代です。

Q:「ブリタニア」という言葉は、ラテン語でどんな意味ですか?


A:ラテン語では、ブリタニアはイギリス諸島、グレートブリテン島、またはローマ帝国時代のブリテン州を意味します。

Q: コインに描かれているブリタニアのイメージは何ですか?


A: コインのブリタニア像は、槍と盾を持って座ったり寝転んだりしています。

Q: ブリタニアが描かれたコインは、チャールズ2世の時代に初めて作られたのですか?


A: ブリタニアが描かれたコインは、イギリス海軍が勝利を収めた後、イングランド、スコットランド、アイルランドのチャールズ2世のために作られたのが最初と言われています。

Q: コインにネプチューンのトライデントが描かれるようになったのは、1797年からですか?


A: コインにネプチューンのトライデントが描かれるようになったのは、イギリス海軍の多くの勝利の後、1797年からです。

Q:コインにヘルメットが描かれるようになったのは、1825年以降ですか?


A:1825年以降のコインに兜が描かれるようになりました。


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