モロッコのララ・メリェム王女(アラビア語:الأميرة للا مريم、1962年8月26日イタリアローマ生まれ)は、モロッコの故ハッサン2世と彼の2番目の妻ララ・ラティファ・ハンモウの長女。王女として公的役割を果たしつつ、社会的・文化的分野での活動に力を注いでいます。

生い立ちと教育

ララ・メリェムは1962年にローマで生まれ、幼少期から王室の一員としてさまざまな教育機会に恵まれました。1981年にバカロレア(高校卒業相当)を取得後、社会事業や慈善活動の分野で公的な役割を担うようになります。父ハッサン2世によって社会事業に関する責務を任され、福祉や子ども・女性支援活動に長年取り組んでいます。

結婚と家族

1984年9月15日に、元首相兼外務大臣アブデラティフ・フィラリの息子フアド・フィラリ(1957年生まれ)と結婚。夫妻の間には一女一男が誕生しました。

  • Sharifa Lalla Soukaïna Filali(1986年4月30日、ラバト生まれ)。2013年10月11日、モハメド・エル・メフディ・レグラグイと結婚。2015年9月27日、双子を出産。
  • ムレイ・イドリス・フィラリ(1988年7月11日、ラバト生まれ)。

夫妻は1999年に離婚しました。ララ・メリェムには現国王であるモハメド6世やムレイ・ラチッド王子という兄弟がおり、ララ・アスマやララ・ハスナといった姉妹もいます。

公的役割と社会貢献

ララ・メリェム王女は数々の名誉職や会長職を務め、特に女性や子ども、海外在住モロッコ人、元兵士・元戦闘員の社会的支援に力を注いでいます。主な公的役職には以下のようなものがあります。

  • ユニセフ支援のモロッコ協会の会長
  • 海外在住のモロッコ人のためのハッサン2世財団(Fondation Hassan II pour les Marocains Résidant à l'Étranger)の会長
  • モロッコ国立子供の権利観測所の会長
  • 元兵士や元戦闘員の社会事業のためのハッサン2世財団の会長

2001年7月には、女性と子供のためのプロジェクトを中心に、ユネスコの親善大使に任命され、国際的な場でもモロッコの社会問題の改善を訴えてきました。また、行方不明者と搾取された子供のための国際センター(International Centre for Missing & Exploited Children)の名誉委員会のメンバーとしても活動しています。

モロッコ女性全国連合(UNFM)と女性支援

2003年よりモロッコ女性全国連合(UNFM:Union Nationale des Femmes Marocaines)の会長を務め、女性の社会的地位向上、教育促進、職業訓練や法的権利の普及などに努めています。UNFMを通じて地域レベルでの支援プログラムや研修、啓発活動を推進し、女性のエンパワーメントを目指す幅広い取り組みを進めています。

活動の重点と国際的役割

王室の地位を活用して、ララ・メリェムは女性と子供の権利擁護、健康や教育へのアクセス改善、人身取引や児童搾取の防止などを国際的な場でも訴えています。ユネスコ親善大使としての活動や、国際機関・NGOとの連携により、モロッコ国内外でのプロジェクト支援や政策提言にも関与しています。

公的イメージと現在の活動

ララ・メリェムは公的な慈善活動を継続して行いながら、私生活は比較的控えめに保つことが多く、公式行事やチャリティ活動を通じて幅広い支持を得ています。現在も女性・子供・移民・戦没者支援といった分野でのプロジェクトを牽引し、国内外での協力関係の構築に努めています。

総じて、ララ・メリェム王女はモロッコ国内の社会開発や人道支援分野において中心的な存在であり、その活動は政策提言から現場支援まで多岐にわたっています。