アグスティン・ロス公園 ピチレムのチリ国定公園 歴史と見どころ
アグスティン・ロス公園は、ピチレム市の旧ロス・カジノ前のアグスティン・ロス通りにある歴史的な公園です。かつてのリゾート開発の中心地として保存価値が高く、1988年2月25日に公園と旧カジノは共に国の文化財(Monumento Nacional)に指定されました。
歴史と背景
公園は19世紀末から20世紀初頭にかけて、チリの実業家で政治家のアグスティン・ロス(Agustín Ross Edwards)がピチレムを海浜リゾートとして整備した際に造成されました。ロスはホテルやカジノ、海沿いの遊歩道、邸宅群などを建設し、町の景観を大きく形作りました。公園周辺の邸宅や建造物は当時の建築様式を残す貴重な遺産です。
植生と建築の特徴
園内には長年にわたり育てられたヤシや芝生、花壇が配置され、かつては樹齢の高いヤシ並木が象徴的でした。記載されるヤシは Phoenix canariensis(カナリアヤシ)で、原産はカナリア諸島ですが、チリの沿岸都市でも広く植えられてきました。公園沿いには当時の豪邸が点在し、多くは現在も個人宅として使われています。建築はベル・エポック期の影響が見られるものや、地元資材を用いた造りが混在しています。
被害と修復
2010年のピチレム地震では、公園と周辺の構造物に大きな被害が出ました。特に海岸沿いの手すりや欄干(バルサトラーダ、バラエストラードと表記されることもある)は崩壊・破損し、遊歩道や景観が損なわれました。その後、国の文化財管理機関や地元自治体による保存・修復作業が行われ、一部は復元されていますが、完全復旧や維持管理は継続課題です。
見どころ・散策ポイント
- 旧ロス・カジノ前の広場:歴史的建造物を背景に散策や写真撮影に適したスポット。
- ヤシ並木と花壇:季節の花や手入れされた緑地はリラックスできる空間。
- 周辺の邸宅群:外観から当時の雰囲気を感じられる建築物が並びます(多くは私有地のため敷地内立ち入り不可)。
- 海沿いの遊歩道:海風を受けながらの散歩が楽しめます。地震被害の影響で一部通行止めになっている区間もあるため注意が必要です。
訪問のヒント・注意点
- 公園は町の中心に位置し、徒歩での散策が便利です。駐車場は近隣に点在しますが観光シーズンは混雑することがあります。
- 多くの屋外施設は自由に見学できますが、邸宅は私有地であるため外観の撮影に配慮してください。
- 保存区域のため、植物の採取や落書きなどは法律で禁止されています。現地の案内表示や規則に従ってください。
- 震災や修復工事の影響で見学範囲や設備が変わることがあるため、訪問前に最新情報を確認することをおすすめします。
保存と地域への意義
アグスティン・ロス公園はピチレムの歴史的景観を伝える重要な文化財であり、観光資源としての価値も高い場所です。地域の歴史や建築・造園文化を次世代に伝えるため、修復と継続的な維持管理、地域住民と行政の連携が不可欠とされています。


ロス・パーク入口、2010年当時。
質問と回答
Q: アグスティン・ロス公園とは何ですか?
A: アグスティン・ロス公園はチリ、ピチレムのアグスティン・ロス通りにある公園です。チリの国定公園です。
Q: アグスティン・ロス公園には何がありますか?
A:樹齢100年のチリ原産のヤシの木や、多くの緑地があり、散歩に最適です。
Q:アグスティン・ロス公園の元の状態は?
A:当初の公園は、樹齢100年のチリ原産のヤシ(Phoenix canariensis)と多くの緑地を誇っていました。
Q: 2010年のピチレム地震の時、アグスティン・ロス公園はどうなりましたか?
A:2010年のピチレム地震で公園は大きな被害を受け、公園周辺のバラオストレードは全て破壊されました。
Q:アグスティン・ロス公園の旧カジノは国定記念物に指定されましたか?
A: はい、1988年2月25日に公園と旧カジノの両方が国定史跡に指定されました。
Q: アグスティン・ロス公園の豪邸の大部分は一般公開されていますか?
A:いいえ、公園内の大邸宅の大部分は個人の邸宅として使用されており、一般公開はされていません。
Q: アグスティン・ロス公園の魅力は何ですか?
A: アグスティン・ロス公園は近年修復され、樹齢100年のチリ原産のヤシの木や多くの緑地がある魅力的な散歩コースになりました。