ルクセンブルク大公国の12のカントン(フランス語でカントン、ドイツ語でカントーン、ルクセンブルク語でカントネン)は、地方行政上の中間区画を示す単位です。カントンは、国家の3つの上位行政区(地区)の下に位置し、それぞれが複数のコミューンを包含します。本文では伝統的に「12カントン・106コミューン」とされる区分を基本にしつつ、コミューン数は合併などで変動することがある点にも触れます。
カントンの役割と位置づけ
カントンはルクセンブルクの行政区画の一つで、主に以下の目的で使われます。
- 行政・統計上の区分(国勢調査や統計資料での集計単位)
- 司法や警察、選挙管理など一部業務の便宜上の区分(国の制度ごとに利用方法は異なる)
- 歴史的・地理的な地域識別(地域の呼称や地図での表記)
ただし、地方自治(住民サービス、都市計画、地方税など)の直接的な実務は、最下位の単位であるコミューン(自治体)が担います。カントン自体には独立した地方議会や強力な行政権限は一般的にありません。
12カントンの一覧
ルクセンブルク国内に伝統的に区分される12のカントンは次のとおりです(日本語表記は一般的な読み方の一例):
- カペレン(Capellen)
- クレルヴォー(Clervaux)
- ディーキルヒ(Diekirch)
- エシュテルナハ(Echternach)
- エシュ=シュル=アルゼット(Esch-sur-Alzette)
- グレーヴンマッハー(Grevenmacher)
- ルクセンブルク(Luxembourg)
- メルシュ(Mersch)
- レダンジュ(Redange)
- レミヒ(Remich)
- ヴィアンデン(Vianden)
- ヴィルツ(Wiltz)
歴史的経緯
カントン制度は19世紀に整備され、近代的な行政区画としての基礎が築かれました。1843年2月24日に、地区とともにカントンが法的に設置され、国の行政単位として正式に定められました。以降、国の行政改革やコミューン合併などに伴って、下位区画であるコミューンの数や境界が何度か変わっています。
そのため「12カントン・106コミューン」と表現されることがありますが、コミューン数は合併により増減するため、最新の正確な数は公式の行政資料で確認する必要があります。カントン自体の数(12)は長期間にわたり安定していますが、コミューンの統合・分割は時期によって変化します。
参考と利用上の注意
行政や研究、旅行などでルクセンブルクの地域を扱う際は、カントン名を地域識別に用いることが多く便利です。一方で、地方行政の実務や住民サービスの窓口はコミューン単位で行われるため、具体的な手続きやサービス提供先を探す場合はコミューン名を確認してください。

