あかり(AKARI)―JAXAが2006年に打ち上げた赤外線全天観測衛星の概要

あかり(AKARI)—JAXAが2006年打ち上げた赤外線全天観測衛星の概要、観測手法・主要成果・歴史を図解でわかりやすく解説

著者: Leandro Alegsa

「あかり」は、2006年に軌道に乗った日本の人工衛星です。

この打ち上げは、宇宙科学研究所と宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトとして行われました。打ち上げは2006年2月21日(世界時)、日本標準時では2006年2月22日に行われ、地球低軌道に投入されました。

目的と搭載機器

あかりの主なミッションは、赤外線望遠鏡を用いて近・中・遠赤外線の全天観測を行うことでした。これにより、宇宙空間における星形成領域、銀河、塵(ダスト)、太陽系小天体などの観測を行い、赤外線領域での天体カタログ作成や分光観測を進めました。宇宙観測所としての役割を果たすために、低温で高感度な観測が可能な設計が採られています。

  • 望遠鏡口径:約68.5 cmの冷却鏡を搭載し、赤外線観測に適した設計。
  • 冷却方式:液体ヘリウムによる超低温冷却を行い、検出器の低雑音化を実現。
  • 主要搭載機器:
    • IRC(Infrared Camera):近・中赤外(数μm〜数十μm)での撮像・分光を担当。
    • FIS(Far-Infrared Surveyor):遠赤外(数十μm〜数百μm)帯での全天サーベイを担当。

観測内容と成果

あかりは複数の波長帯での全天サーベイを行い、従来の赤外線サーベイ(例:IRAS)よりも高い空間分解能と感度で多数の点源や散逸放射を検出しました。代表的な成果には以下が含まれます。

  • 9、18、65、90、140、160 μm(代表的な波長帯)の全天サーベイによる赤外線天体カタログの作成。
  • 星形成領域や銀河の赤外線分布の詳細マッピングにより、塵と星形成活動の関係を解明する手がかりを提供。
  • 小惑星や近傍天体の赤外線観測により、サイズやアルベド(反射率)推定を支援。
  • 分光観測により、星や星間物質中の化学組成や温度情報の取得に貢献。

運用経緯とその後

液体ヘリウムによる冷却運用は約1年半程度続き、ヘリウムの枯渇後も近赤外の観測装置(IRC)を用いた「ウォームミッション」として観測が継続されました。得られたデータは一連のカタログやデータリリースとして公開され、国内外の天文学研究に広く利用されました。最終的にミッションは運用終了となり、長年にわたって赤外線天文学に重要なデータを供給しました。

あかりの成果は、後続の観測衛星や地上・宇宙望遠鏡との相補的な研究に役立ち、宇宙における塵や星形成、銀河進化の理解を深める基礎資料となっています。

質問と回答

Q:「あかり」とは何ですか?


A:「あかり」は日本の人工衛星です。

Q:「あかり」が軌道に乗ったのはいつですか?


A:2006年です。

Q:「あかり」を打ち上げたのはどこですか?


A:宇宙科学研究所と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げました。

Q:「あかり」の打上げはいつですか?


A:2006年2月22日に打ち上げられました。

Q:「あかり」の主なミッションは何ですか?


A:赤外線望遠鏡を搭載し、近・中間赤外線、遠赤外線の全天観測を行う宇宙天文台です。

Q:「あかり」とはどういう意味ですか?


A:「あかり」は「光」という意味です。

Q:「あかり」はどのような観測をするために作られたのでしょうか?


A: 赤外線望遠鏡で、近・中間・遠赤外線の観測を行うように設計されています。


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