チェファルー大聖堂(Duomo di Cefalù)—1131年建立のシチリア・ノルマン様式バシリカ(ユネスコ世界遺産)

チェファルー大聖堂イタリア語Duomo di Cefalù)は、シチリア島チェファルーにあるローマ・カトリックのバシリカである。歴史的には中世ノルマン王朝の象徴的建築の一つであり、アラブ・ノルマン・パレルモとチェファルーとモンレアーレの大聖堂として知られるユネスコ世界遺産に含まれる9つの建造物のうちの1つである。

この大聖堂は1131年にノルマン建築様式で着工され、12世紀にほぼ現在の姿が整えられた。シチリア島は1091年にノルマン人に征服され、その統治下で西欧・ビザンツ・アラブの要素が融合した独特の建築様式が発展した。伝承によると、シチリア島の王ロジェ2世は嵐を逃れてこの街の浜辺に降り立ち、大聖堂を建てることを誓ったとされる。外観は要塞のような重厚さを持ち、中世の町並みのスカイラインを支配している点が特徴で、ノルマン人の存在感を強烈にアピールしている。

歴史と背景

ロジェーロ2世(ロジェ2世)が関与したと伝えられる建立は、王権の威信を示す政治的意味をもっていた。工事にはビザンツや南イタリア、北欧の工匠が関わり、建築と装飾の両面で多文化的な影響が見られる。大聖堂は宗教施設としてだけでなく、町の防御的ランドマークとしても意図されたため、厚い外壁や塔を備える堅固な造りになっている。

建築の特徴

  • 平面は古典的なバシリカ形式(中央身廊と両側廊)で、重厚な柱やアーチにより内部空間が構成されている。
  • 正面ファサードには2つの鐘楼が配されるが、片方が未完成のまま残されている点がよく知られる。
  • 建材には地元産の石材が用いられ、外観は堅牢で簡潔な造形が強調される。
  • 建築細部にはノルマン様式の重厚さに加え、ビザンツのモザイク技術やアラブ由来の装飾意匠が折衷的に現れている。

内部装飾とモザイク

チェファルー大聖堂で最も有名なのは、主祭壇背後の半円形アプスに描かれた大規模なビザンチン式モザイクで、そこに描かれた「キリスト・パンテクラトール(全能者キリスト)」の像は12世紀の代表的傑作とされる。金地を多用した豪華なモザイクは、ビザンツの工人による制作と考えられており、顔の表現や折り目の表現に高い技術が示されている。

また、身廊や側廊、祭壇周辺には中世以来の彫刻や石細工、祭具類が残されており、大聖堂の歴史的価値を高めている。時代を経て加えられた改修や装飾もあり、内部は複数時期の様式が重層的に見られる。

保存と修復、ユネスコ登録

チェファルー大聖堂は長年にわたる修復と保全作業を経て現在に伝えられている。特にモザイクの保存管理は重要視され、科学的な補修技法が採用されてきた。2015年には「Arabo-Norman Palermo and the Cathedral Churches of Cefalù and Monreale」としてユネスコ世界遺産に登録され、ノルマン期におけるシチリアの文化的融合と建築的価値が国際的に認められた。

見学のポイントと実用情報

  • 外観と内部のコントラスト:外側の要塞的な印象と、内部の金地モザイクの輝きとの対比が強く印象に残る。
  • 写真撮影:観光時の写真撮影可否やフラッシュの使用については、現地の案内に従うこと。
  • 礼拝と観光の共存:現在も宗教施設として使われているため、ミサなど宗教行事が行われる時間帯は見学に制限が出る場合がある。
  • アクセス:チェファルーの旧市街から徒歩で容易に到達でき、町自体が観光に便利な規模である。
  • 周辺:チェファルーの海辺や中世の街並みと合わせて観光することで、地域の歴史と風景をより深く味わえる。

チェファルー大聖堂は、ノルマン時代の政治的・宗教的意図、ビザンツ美術の高い技術、シチリア島における文化交差点としての重要性を示す貴重な遺産である。訪れる際は、建築やモザイクの細部に目を向け、長い年月を経て守られてきた歴史の重みを感じ取ってほしい。

歴史

大聖堂は、古くから人々が暮らしていた地域に建てられました。現在では、ローマ時代の道路や初期キリスト教のモザイク画がそれを示している。1131年に建設が始まり、1145年には後陣のモザイクが始まり、同年にはロジェ2世が自分の墓と妻の墓のために用意した石棺が設置されました。1172年以降、教会は衰退の一途をたどった。1215年、ホーエンシュタウフェン家のフリードリヒ2世は、2つの石棺をパレルモの大聖堂に移した。その後すぐに大聖堂の建設が再開され、1240年にファサードが完成した。1267年、アルバーノ司教ロドルフ・ドゥ・シェブリエールによって大聖堂が聖別された。

1472年、ファサードの2つの塔の間に、アンブロージョ・ダ・コモによるポルティコが付け加えられた。

町中にあるチェファルーの大聖堂Zoom
町中にあるチェファルーの大聖堂

質問と回答

Q:チェファルー大聖堂とは何ですか?


A:チェファルー大聖堂は、シチリア島チェファルーにあるローマ・カトリックのバシリカです。

Q: チェファルー大聖堂が登録されているユネスコ世界遺産は何ですか?


A: チェファルー大聖堂は、「アラブ・ノルマン様式のパレルモとチェファルーおよびモンレアーレの大聖堂」として知られるユネスコ世界遺産に含まれています。

Q: チェファルーの大聖堂はいつ建てられたのですか?


A: チェファルーの大聖堂は1131年に建てられました。

Q: チェファルー大聖堂はどのような建築様式で建てられたのですか?


A: チェファルーの大聖堂は、ノルマン建築様式で建てられました。

Q:シチリア島を征服したのは誰?


A: 1091年にノルマン人がシチリア島を征服しました。

Q: 伝承によると、なぜチェファルーの大聖堂が建てられたのでしょうか?


A: シチリア島の王ロジェ2世が嵐を逃れてチェファルーの海岸に上陸し、チェファルー大聖堂を建てることを誓ったという言い伝えがあります。

Q: セファルーの大聖堂は、ノルマン人の存在についてどのような声明を出したのでしょうか?


A: チェファルーの大聖堂はノルマン人の存在を力強く主張し、周囲の中世の町のスカイラインを支配する要塞のような性格を持っています。

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