セロビオース(セルロビオース)とは:定義・生成・性質まとめ
セロビオースとはセルロース由来の二糖類。定義・生成(加水分解)・性質や代謝性を図解でわかりやすく解説する基礎ガイド。
セロビオースは糖の一種で、構成成分はグルコース(ブドウ糖)2分子からなる二糖類です。化学式はC12H22O11、分子量は約342.3 g·mol−1で、結合様式は2つのグルコースがβ-1,4グリコシド結合でつながった構造を持ちます。英語では "cellobiose" と表記され、以前はセロースと呼ばれていました。
生成(セルロースの分解)
セロビオースは植物の主成分であるセルロースを分解する過程で生成されます。セルロースはβ-1,4結合で連なったグルコースの長い鎖で、酵素的または酸加水分解により短い断片に切断されると、セルロビオースが生じます。具体的には、セルラーゼ群(エンドグルカナーゼやセルロブハイドロラーゼ、β-グルコシダーゼなど)の協働作用でセルロース鎖が切断され、セルロビオースが生成されます。{加水分解は水とセルロースの反応であり、原文にあるように加水分解といいます。}
物理的・化学的性質
- 外観:純粋なセロビオースは白色の粉末または結晶性固体です。
- 溶解性:水には溶けやすく、アルコールなど有機溶媒にはあまり溶けません。
- 還元性:一方のグルコースの還元末端が自由であるため、還元糖に分類され、ベネディクト反応などで陽性を示します。
- 熱・化学安定性:加熱や加水分解により容易に分解してグルコースを生じます(融解前に分解する性質を持ちます)。
生物学的意義と利用
セルロースを分解してできる主要な中間生成物として、セロビオースはバイオマスからの糖化・バイオ燃料生産、繊維や製紙産業でのセルロース分解研究、セルラーゼの活性評価などで重要です。研究室ではセルラーゼ活性の指標としてセロビオースや類縁体が用いられます。
また、セロビオースは多くの微生物によって代謝されますが、ヒトは小腸にβ-グルコシダーゼ(β-グルコシダーゼはセルロビオースを加水分解してグルコースを遊離する酵素)をほとんど持たないため、口から摂取したセロビオースを直接効率よく消化・吸収することはできません。ただし腸内細菌などの微生物群はセルロビオースを発酵して短鎖脂肪酸などを生成する場合があります。
分析・分解法
セロビオースの検出・定量にはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、質量分析などが用いられます。生成や分解を扱う研究では、酸分解(強酸加熱)や酵素処理(セルラーゼ群)を使い、生成速度や生成量、セルロース分解の効率を評価します。
その他の特徴・注意点
- 甘味は非常に弱く、一般的な甘味料としては利用されません。
- セルロビオースはセルラーゼ活性の阻害物質となることがあり、バイオ燃料生産などではβ-グルコシダーゼで速やかにグルコースへ変換することが工程効率を高めます。
- 原料としては、綿や紙がセルロビオース生成のもとになるセルロースを多く含みます。工業的には、これらのセルロース含有物質を酸や酵素で処理して部分的に分解することでセロビオースを得ることができます。
まとめると、セロビオースはセルロース由来の代表的な二糖類であり、植物由来バイオマスの分解過程やセルラーゼの研究・産業利用において重要な中間体です。生体内での消化はヒトでは限定的ですが、微生物による利用が盛んであり、バイオテクノロジー分野で広く注目されています。
質問と回答
Q: セロビオースとは何ですか?
A:セロビオースは二糖類に属する糖の一種です。
Q: セロビオースはどこから来るのですか?
A:セロビオースは、植物の細胞から取れるセルロースから作られます。
Q:セルロースを多く含むものにはどんなものがありますか?
A:セルロースを多く含むものには、綿や紙などがあります。
Q:セロビオースはどのようにして作られるのですか?
A: セロビオースは、水とセルロースが関与する加水分解と呼ばれる過程を経て作られます。
Q: 純粋なセロビオースはどのようなものですか?
A: 純粋なセロビオースは白い粉末です。
Q: 人はセロビオースを代謝できますか?
A: いいえ、人はセロビオースを代謝することはできません。
Q:セロビオースは以前は何と呼ばれていましたか?
A:セロビオースはもともとセロースと呼ばれていました。
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