サントル・ヴァル・ド・ロワールは、フランスの行政区の一つである。首都はオルレアンだが、最大の都市はトゥールである。面積は約39,000 km²、人口はおよそ250万〜260万人(最新の統計で変動)で、2015年に従来の「Centre」という呼称から「Centre‑Val de Loire(サントル=ヴァル=ド=ロワール)」へと公式名称が変更された。ロワール川流域を中心に、農業、ワイン生産、観光、製造業が地域経済の重要な柱となっている。

歴史的には、トゥレーヌ、オルレアナ、ベリーという3つの古い地方(それぞれ現在のいくつかの県に対応)がこの地域の文化的基盤を形作ってきた。具体的には、トゥレーヌに当たるのは(主に)インドル・エ・ロワール、オルレアナ地方には(主に)ロワレウール・エ・ロワールロワール・エ・シェールなど、ベリー地方には(主に)シェールやインドルが含まれる。

地理と自然

中心を流れるロワール川はフランス最長級の河川で、穏やかな丘陵地帯、肥沃な平野、森林、湿地帯が混在する。地域内には複数の自然公園があり、代表的なものにロワール=アンジュ=トゥレーヌ自然公園、ブレンヌ自然公園、ソローニュの森などがある。気候は大陸性と大西洋性の過渡的気候で、農業やブドウ栽培に適している。

行政区分

  • サントル=ヴァル=ド=ロワールは6つの県(départements)で構成される:シェール、ウール=エ=ロワール(Eure-et-Loir)、インドル、インドル=エ=ロワール(Indre-et-Loire)、ロワール=エ=シェール(Loir-et-Cher)、ロワレ(Loiret)。
  • 行政の中心(州都)はオルレアン、最大都市はトゥールで、市街地ごとに産業や歴史的特色が異なる。

経済と産業

農業(穀物、油糧種子、畜産)とワイン生産が伝統的に重要で、特にトゥレーヌやソーニュ周辺は良質なブドウ産地として知られる。著名なワイン産地にはヴーヴレ、シノン、サンセールなどがあり、ロワール渓谷のワインは国内外で評価が高い。製造業、化学、医薬、農産加工、軽工業や中小企業も地域経済を支えている。観光も大きな収入源で、歴史的シャトーや城塞、古都の街並みを訪れる観光客が多い。

文化・観光

ロワール渓谷はその景観と歴史的建造物群が文化的価値を持ち、ユネスコの世界遺産(文化的景観)に登録されている区間がある。代表的なシャトーにはシャンボール(Chambord)、シュノンソー(Chenonceau)、アンボワーズ(Amboise)、ブロワ(Blois)などがあり、ルネサンス期から近世にかけての建築と庭園文化を楽しめる。町ごとの祭り、ガストロノミー(ローカル市場、郷土料理)、ワインツーリズムも盛んである。

交通

地域はパリから比較的近く、A10高速道路やA71などの幹線、高速鉄道(TGV)の便で主要都市と結ばれている。トゥールやオルレアンは鉄道・道路網のハブであり、観光地へアクセスしやすい。ロワール川はかつて物資輸送の要であったが、現在は観光やレクリエーション利用が中心である。

まとめ

サントル=ヴァル=ド=ロワールは、歴史的・自然的魅力が豊富で、フランスの中でもワイン、城郭、田園風景で知られる地域である。首都のオルレアンと最大都市のトゥールを中心に、農業・産業・観光がバランスよく発展している点が特徴である。