クラッディング(外装被覆)とは:ACM・ACP問題と防火基準を解説
クラッディングとは何か、ACM/ACP問題や防火基準を図解でわかりやすく解説。安全対策と規制の最新動向を確認。
クラッディングとは、ある素材を別の素材の上にかぶせて表皮や層を作ることです。風雨からの保護や美観のために行われることもあります。
雨よけクラッディングはウェザークラッディングのひとつで、風雨からの保護を目的としていますが、断熱性も備えています。クラッディングはそれ自体が防水である必要はなく、単に制御要素でしかありません。水や風を安全に導くことで流出を制御し、建築物への浸透を防ぐ役割を果たすだけでも構いません。また、クラッディングは騒音を制御する要素でもあります:騒音が入ってくるにせよ、出ていくにせよ。窓に適用されるクラッディングは、しばしばウィンドウキャッピングと呼ばれ、専門分野となっています。
ロンドンのグレンフェルタワー火災や、フランス、ドバイなどで発生した同様の火災を受けて、タワーブロックや同様の高層集合住宅に使用されるクラッドの防火性能、特にアルミニウム複合材(ACM)やACMパネル(ACP)の使用に大きな関心が寄せられています。
クラッディングの種類と構造
クラッディングの材料や構造は多様で、用途や設計方針によって選ばれます。主な種類と特徴は次の通りです。
- 金属パネル系:アルミニウムやスチールの外装板。耐久性が高く、メンテナンスしやすい。
- アルミニウム複合材(ACM / ACP):薄いアルミ箔の間に芯材(コア)を挟んだパネル。軽量で加工性に優れるが、芯材の種類で火災リスクが大きく変わる。
- 鉱物系・繊維セメント系:不燃材または難燃材として採用されることが多く、防火性能が高い。
- 天然石・化粧板:重ね張りや固定方式による耐久性と意匠性を提供。
- 通気層付き(レインスクリーン)クラッディング:外装板と下地の間に空気層を設け、排湿・断熱を図る方式。適切な防火処置が必要。
ACM/ACPと火災リスク(芯材の違い)
ACMやACPは一般に薄いアルミ板の表層と芯材で構成されます。芯材の代表例とリスクは以下の通りです。
- PE(ポリエチレン)芯材:軽量で安価だが可燃性が高く、延焼を助長する恐れがある。
- 難燃処理(FR)PE芯材:通常のPEより延焼が抑えられているが、完全に不燃とは言えない。
- 鉱物系コア(A2相当など):鉱物充填により不燃、あるいは難燃性が高く、火災リスクが大幅に低減される。
グレンフェル火災後、多くの国や自治体で高層建築における可燃性クラッディングの使用が厳しく制限され、既存の可燃クラッディングの点検・撤去・交換が進められています。
防火基準と代表的な試験
クラッディングの防火性能は国や地域によって基準が異なりますが、一般に次のような基準・試験が参照されます。
- EN 13501-1(Euroclass):材料の燃焼性能(A1, A2, B, C…)を評価する欧州基準。A1/A2は非可燃またはほぼ非可燃を示す。
- BS 8414:外壁組立体の垂直火炎拡散試験(英国)。外装システム全体の挙動を見るため、実務的な試験とされる。
- NFPA 285:アメリカで用いられる多層壁材料の水平・垂直火炎伝播試験。主に高層建築向け。
- ASTM E84(A/UL 723):面材の表面燃焼特性(燃焼速度、煙生成)を評価。
設計者や施工者は、材料単体の規格に加え、実際の組立体としての挙動を示す試験結果(例:BS 8414やNFPA 285)を確認することが重要です。
設計・施工上の注意点
クラッディングは材料だけでなく、設計・施工・ディテールが防火性能に大きく影響します。主な注意点は:
- コア材の選定:高層建築ではA1/A2相当の非可燃・難燃材を優先する。
- 空隙(キャビティ)管理:通気層を設ける場合は、延焼を抑えるためのキャビティバリア(Cavity barrier)やフロアストップなどを適切に配置する。
- 気密・防水ディテール:窓廻りや貫通部、ジョイント部の処理を正しく行い、雨水の侵入とともに火炎や煙の伝播経路にならないようにする。
- 不燃下地と隔離:必要に応じて不燃の下地材や防火層を設ける。
- 設置精度と固定金物:パネルの固定方法や金物が熱で弱くならないよう選定し、施工精度を確保する。
- 消防設備との整合:スプリンクラーや避難経路、区画(コンパートメント)設計と整合させる。
点検・メンテナンスと既存建物の改修
既設クラッディングの安全性を確保するために、次の対応が推奨されます。
- 資材証明書の確認:設置されているパネルの製品証明書、試験報告(EuroclassやBS 8414等)を確認する。
- 目視点検と詳細調査:外観劣化、ジョイントの開き、固定金具の腐食、シーリングの劣化などを定期点検する。必要に応じて熱画像診断やサンプリング試験を行う。
- リスク評価:建物の高さ、用途、近隣環境、避難計画などを踏まえた総合的なリスク評価を実施する。
- 改修方針の検討:可燃性クラッディングが用いられている場合は、非可燃材への交換、外壁組立の改修、キャビティバリアの追加などを検討する。
実務者と所有者への実用的なチェックリスト
- 使用材がどのEuroclass(EN 13501-1)に該当するか確認する。
- 外壁システム全体の火災試験(BS 8414やNFPA 285等)の有無を確認する。
- 設計図書に沿ったキャビティバリアや防火区画が確実に施工されているか確認する。
- 定期点検記録を保管し、異常があれば直ちに専門家に相談する。
- 自治体や消防当局の指示・ガイダンスに従う(各国・地域で規制が異なる)。
まとめ・推奨事項
クラッディングは建物の保護、美観、断熱、遮音といった多様な機能を担いますが、使用材料と詳細設計が防火安全に直結します。特に高層建築や集合住宅では可燃性クラッディングの使用が重大なリスクとなるため、以下を優先してください。
- 非可燃(A1/A2相当)材料を優先し、可能な限り外壁システム全体の実証的な試験結果を確認する。
- 設計段階から防火対策を組み込み、キャビティバリアや防火区画、適切な下地を計画する。
- 既存建物は資材確認とリスク評価を実施し、必要な改修を行う。
- 疑問がある場合は建築士、耐火設計の専門家、自治体や消防当局に相談する。
適切な材料選定と施工管理、定期的な点検・維持があれば、クラッディングは安全で長持ちする外装システムとなります。
質問と回答
Q:クラッディングとは何ですか?
A:クラッドとは、ある種のものを別のものの上に重ねて置き、皮のようなものを作ることです。
Q: クラッディングの目的は何ですか?
A: クラッディングは、下にあるものを天候から守ったり、美しく見せたりすることができます。
Q: レインスクリーン・クラッディングとは何ですか?
A: レインスクリーンクラッディングは、雨水から物を守り、暑すぎたり寒すぎたりしないようにする、気象クラッディングの一形態です。
Q: クラッディングは防水である必要がありますか?
A: 必ずしもそうではありません。クラッドの中には、雨水や風を別の方法で流して、流出を抑えるだけのものもあります。
Q: クラッディングはどのようにして水の流出を防ぐことができますか?
A: レインスクリーンクラッディングは、屋上の水を建物の一部から流すことができ、水が建物の中に入ってこないようにすることができます。
Q: ウインドーキャッピングとは何ですか?
A: ウィンドーキャッピングとは、窓に施されるクラッディングのことで、専門的な分野です。
Q: クラッディングは騒音を防ぐことができますか?
A: はい、素材の種類によっては騒音を防ぐことができます。
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