クラリネットとは?構造・種類・リード・演奏法をやさしく解説

クラリネットの構造・種類・リード・演奏法をやさしく解説。初心者向けの音の出し方、リード選び、楽器の手入れまで図解でわかる入門ガイド。

著者: Leandro Alegsa

クラリネットは木管楽器です。

構造(パーツ)

クラリネットの本体は、マウスピース、バレル、アッパージョイント、パッド、キー、リングキー、ロッド、ロアジョイント、ベルで構成されています。息を吹き込むマウスピースの先には、クラリネットには1本のリードがあります。リードは、サトウキビ(本来はサトウキビの仲間であるハランやイネ科の葦(カナディアン・ケーン/リードケーン)が一般的)や竹、プラスチックで作られており、厚さ(強さ)は0.5〜5番程度の表示で様々です。リードは、通常、金属製のリガチャーと呼ばれるクランプでマウスピースに取り付けられています。マウスピースに息を吹きかけるとリードが振動するため、音が出ます。

胴体は穴の開いた円筒形の筒で、その穴を指で覆ったりパッドで塞いだりすることで音程を変えます。穴の上のパッドの開閉で半音階のすべての音を演奏でき、ボタン(キー)は主に「小指」などで操作します。

素材と仕上げ

  • 木製(グレナディラ/黒木、ローズウッドなど):豊かな響きと温かい音色が得られるため上級者やプロに好まれます。
  • 樹脂(プラスチック):耐久性があり、価格が抑えられるため学生用・屋外用に向きます。
  • 金属パーツやキーのめっき:耐食性や見た目の違いに影響します。

キー機構と種類

クラリネットのキー機構には代表的に「ボーエム式(Boehm)」と「アルバート式(Albert)」があります。鍵盤付きクラリネットの一種類はアルバートシステムと呼ばれています。もう一つの種類は、ボーエムシステムと呼ばれています。ボーエム式クラリネットは、クラシックオーケストラジャズミュージシャンに多く使われています。

種類(調と音域)

もっとも一般的なのはB♭クラリネットで、北米をはじめとする欧米諸国では、最もポピュラーなクラリネットはB♭のクラリネットです。これは、Cと書かれている音をクラリネット奏者が弾くと、ピアノではB♭に聞こえてしまうことを意味します。B♭クラリネットは、コンサートやマーチング、学校のバンドなどで使われています。オーケストラの音楽家は、Aクラリネット(半音下)、ソプラニーノEフラットクラリネット(1/4上)、BフラットのBass_clarinet(1オクターブ下の音)も演奏します。

一般的な音域は約3オクターブ弱で、低音域(チャルメラウ/chalumeau)、中高音(クラリオン/clarion)、超高音(アルティッシモ)と呼ばれる音域帯に分かれます。各音域で指使いやアンブシュア(口の形)を変えることで音色と音程を安定させます。

リードについて

リードは音色・反応・吹きやすさを大きく左右します。一般的に「薄い(弱い)リード」は吹きやすく高音が出しやすい一方で音に深みが欠けることがあり、「厚い(強い)リード」は音に芯があり豊かな音色が得られますが吹奏には力が要ります。リードの寿命は使用頻度や手入れ、種類によって異なります。リードの正しい保管(乾燥を避け、平らなリードケースに入れる)や定期的な交換が大切です。

基本的な演奏法(初心者向け)

  • アンブシュア:上の前歯はマウスピースに軽く触れ、下唇を内側に巻いてリードに当てる。顎はリラックス。
  • 息づかい:お腹(横隔膜)を使った深い呼吸。均一な息で音を支えることが大切。
  • タンギング(アーティキュレーション):舌先でリードの根元付近を軽く叩いて音の立ち上がりを作る。初めは「ト、ト、ト」と発音する練習が有効。
  • 指使い:初期は基本ポジションの指使いを覚え、徐々に半音や運指の切り替え練習を行う。

初心者のクラリネット奏者は、通常、レッスンの最初の数分で1音を弾くことができます。クラリネットで音を出すことは、他の多くの管楽器で音を出すよりも簡単です。ほとんどの器楽の先生は、下の大人の歯が生えてきたらすぐに、クラリネットは若いプレーヤーに適した楽器であると考えています。指使いはフルートやサックスと非常によく似ていますので、クラリネットを弾くことに慣れて一定のレベルに達した後に、クラリネットからこれらの楽器のいずれかに変更することはそれほど難しくありません。

メンテナンスと注意点

  • 吹いた後はスワブ(クロス)で内部の水分を拭き取る。
  • コルクには専用のグリースを塗り、接合部のきつさを保つ。
  • パッドやキーの異常(音もれ、キーの戻りが悪いなど)は早めに専門店で点検を。
  • リードは使わないときは乾燥させ、長期間同じリードを使い続けない。

レパートリーと代表作

クラリネットをフィーチャーした有名な作品は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのクラリネット協奏曲です。1791年に書かれたこの曲は、多くの場合、楽器のための最初の偉大な作曲と考えられています。他にもモーツァルトの五重奏曲(クラリネット五重奏)や、ドビュッシー、ウェーバー、リヒャルト・シュトラウスなどの作品でクラリネットは重要な役割を果たします。

まとめ(これから始める方へ)

クラリネットは音色の幅が広く、ソロからアンサンブル、オーケストラ、ジャズまで多様に使える楽器です。初めてでも比較的早く音が出せ、指使いの習得は他の管楽器にも役立ちます。楽器選びは目的(学校・趣味・プロ)や予算によって変わるので、購入前に先生や楽器店で試奏することをおすすめします。

弾いているクラリネット(手前Zoom
弾いているクラリネット(手前

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質問と回答

Q:クラリネットとは何ですか?


A:クラリネットは、音を出すための穴を指で塞いだ円筒形の筒と、マウスピースに取り付けた1枚のリードからなる木管楽器です。

Q:リードにはどんな素材が使われているのですか?


A:クラリネットのリードは、通常、杖や竹、プラスチックなどでできており、太さはさまざまです。

Q:マウスピースから吹くと、どのように音が出るのですか?


A:マウスピースから息を吹き込むことでリードが振動し、音が出ます。

Q:キー付きクラリネットにはどのような種類がありますか?


A:一般的なキー付きクラリネットは、アルバート方式とベーム方式と呼ばれる2種類です。

Q:北米をはじめとする欧米で人気のあるクラリネットの種類は?


A: B♭クラリネットが、北米をはじめとする欧米で最も人気があります。

Q:B♭以外のサイズやピッチはありますか?


A:はい、半音下のA-clarinet、4分の1上のsopranino E flat clarinet、1オクターブ下のBass_clarinetがあります。

Q:初心者がクラリネットを吹くのは簡単ですか?


A:はい、大人の歯が生え揃えば、初心者の方でも比較的簡単に吹けるようになります。また、指使いがフルートやサックスと似ているため、他の管楽器よりも簡単です。


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