カリキュラム(教育課程)とは?定義・目的・構成・シラバスとの違い

カリキュラム(教育課程)の定義・目的・構成を分かりやすく解説。シラバスとの違いや事例、作り方まで実務に役立つポイントを多数掲載。

著者: Leandro Alegsa

カリキュラム(複数形:curricula)とは、学習や教育・トレーニングを体系的に計画したプログラムのことです。教育や研修を行う際に、何を、どの順で、どれだけの時間で、どのように教えるかを具体的に示します。他者が授業の流れや期待される成果を把握できるよう、詳細に記述された設計図のような役割を果たします。

カリキュラムの主な要素

  • 目標・到達目標:教育によって達成したい知識・技能・態度(例:読み書き能力、問題解決力、社会的態度など)。
  • 内容(トピック):どのような科目・単元・テーマが含まれるか。
  • 学習の順序・構成:各トピックをどの順番で学ぶか、学年・期間ごとの配列。
  • 学習時間の配分:各単元や授業にどのくらいの時間を割くか。
  • 教授法・活動:講義、グループワーク、実験、フィールドワークなど具体的な指導方法。
  • 評価・アセスメント:到達度をどう測るか(試験、レポート、ポートフォリオ、観察など)。
  • 教材・資源:教科書、参考書、機材、ICTツール、教員研修など(例:教科書による裏付け)。
  • 実施条件・運営情報:タイムテーブル、会場、担当組織や連絡先など(開催地となる組織の詳細情報やリンクが付されることが多い)。

目的(なぜカリキュラムが必要か)

  • 教育の方向性と基準を明確にし、質の保証や公平性を確保する。
  • 教員や受講者、保護者など関係者間で期待値を共有する。
  • 評価や資格認定の基礎を提供し、公的な試験や認定制度の準拠物として機能する(多くの場合、公立や私立の試験委員会によって承認されることがある)。
  • 教育内容の体系化・改善を進めるための手掛かりを与える。

カリキュラムとシラバス(syllabus)の違い

シラバスは、特定の学術コースや講義で扱われるトピックや授業計画、評価方法などの概要を示す文書です。一方でカリキュラムは、より広範で体系的な教育プログラム全体を指します。つまり、

  • カリキュラム=教育課程全体(目標・内容・評価・資源・実施方針などを含む総合設計)
  • シラバス=個々のコースや授業の運営計画(週ごとのテーマ、課題、評価基準などの具体的案内)

また、英語の “discipline” は文脈によって「学問分野」を指します(例:数学 discipline、歴史 discipline)。

カリキュラムの種類と特徴

  • 国家カリキュラム(中央集権型):政府や教育委員会が定め、全国の学校が遵守する標準化された課程。
  • 学校カリキュラム(学校主導型):学校や地域のニーズに合わせて独自に編成される課程。
  • 教科カリキュラム:各教科ごとの詳細な設計。
  • 隠れたカリキュラム(hidden curriculum):明文化されないが学校文化や日常の活動を通して形成される価値観や行動様式。

カリキュラム開発の代表的モデル

  • タイラーのモデル:目的の設定→学習経験の選択→学習経験の組織→評価という四段階による設計。
  • バックワードデザイン:まず最終的な到達目標(理解してほしいこと)を定め、その到達を示す評価を設計し、最後に学習活動を組み立てる手法。
  • タバ(Taba)のモデル:教師参加型でニーズ分析から出発し、詳細な単元計画を重視するアプローチ。

実施・評価・改訂のプロセス

  • 実施:教員の研修、教材配備、授業運営によってカリキュラムを現場で実行する。
  • 評価:学習者の達成度だけでなく、カリキュラム自体の有効性(目標達成度、実行可能性、費用対効果など)を評価する。
  • 改訂:評価結果や社会・産業の変化、学習者のニーズに基づき内容や方法を更新する(継続的改善)。

教員や関係者への実践的なポイント

  • カリキュラムは固定的なものではなく、コンテクスト(地域・学習者・時代)によって柔軟に調整する必要がある。
  • 評価手法を設計段階から組み込むことで、到達目標との整合性が高まる(constructive alignmentの考え方)。
  • 教科書や外部資源(例:教科書)は手段であり、目標達成のために最適なものを選ぶこと。
  • 関係者(教育委員会、学校管理者、教員、保護者、産業界など)との連携を図り、透明性のある策定プロセスにすることが望ましい。

まとめ

カリキュラムは、教育の目標・内容・方法・評価・資源を体系的に示す設計図であり、質の高い教育を実現するための基盤です。個々のコースを扱うシラバスがその一部として機能する一方で、カリキュラムはより広い視点から教育全体を構成・調整します。研究と実践を通じて継続的に評価・改訂されることが重要です。教育課程の研究は、多くの教員養成において必須の領域となっています。

歴史的発展

歴史的にカリキュラムは、シラバスや試験の背景として機能するだけではありませんでした。カリキュラムは、以下のことを考慮に入れて、教育の基礎を議論してきました。

  1. 子供の心理、特に低年齢層の子供の心理を知ることができます。
  2. 雇用者のニーズを含む社会のニーズに対応しています。
  3. 科学のような知識の発展
  4. 教育と訓練のバランス
  5. 教育が自主的なものか強制的なものかなど、教育の法的地位

タイラーが序文で問いかけた4つの質問は、一般的に基本的なものとされています。

  • 学校はどのような教育目的を達成しようとするのか?
  • これらの目的を達成するために有用な学習経験をどのように選択するか。
  • 効果的な指導のために、学習経験をどのように整理すればよいか。
  • どのようにして学習体験の効果を評価できるのか?

これらの質問に答えるための難しいルールはありません。教育や人生に対する考え方の違いにより、教育理論は常に異なっています。大雑把に言えば、これらの理論は2つの反対の端を持っています。一方の端は、子どもを中心とした教育です。これは、個々の子どものニーズや発達に合わせて教育を行うことを目的としており、幼稚園や初等教育で最も利用されています。もう一方の端は、社会志向です。これは、社会が必要としている仕事や役割を果たすことができる若者を、社会に安定的に供給することを目的としています。国によっては、宗教を重視したアプローチもあります。これは、特定の宗教の戒律(信念、実践)に従って生きることを主な目的とする若者を生み出すことを目的としています。

隠しカリキュラム

評論家が教育システムで実際に行われていると考えていることを表現するために使われることがある言葉です。これは、教育機関の暗黙の信念や価値観、行動や敬意に関する暗黙の要求を意味しています。学校では教科が教えられていますが、それ以外にも多くのことが行われています。


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質問と回答

Q: カリキュラムとは何ですか?


A:カリキュラムとは、教育や訓練を計画するために使用される学習プログラムのことです。

Q: カリキュラムは通常どのような情報を提供するのですか?


A: カリキュラムは、どのようなトピックをどのような順序で教えるか、各トピックにどれくらいの時間をかけるか、といった詳細を明記しています。

Q: カリキュラムと時間割はどのようにリンクしているのですか?


A: カリキュラムは、各トピックがいつ教えられるかを示すために、時間割と連動していることが多いようです。

Q: カリキュラムは誰が作成することが多いのですか?


A:カリキュラムは、多くの場合、公的または私的な試験委員会によって認可されます。

Q: 試験を設定する根拠は何ですか?


A:カリキュラムは、多くの場合、試験を設定するための基礎として使用されます。

Q: シラバスとはどういう意味ですか?


A: シラバスとは、学術的なコースで扱われるトピックの要約、または書籍や講義を意味する言葉です。

Q: 教育におけるディシプリン(discipline)とはどのような意味ですか?


A: 教育に関連して、用語disciplineは学問的な主題を意味します。


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