ダンボヴィツァ川は、ルーマニアの川で、中央南部を南へ流れる重要な河川です。源流であるヴァレア・ヴラドゥルイとボアルカシュの合流地点に端を発し、山岳地帯から低地へと流れ下ります。上流はファガラシュ山脈を起点とする急峻な渓谷が続き、下流では平野を横切って幅が広がります。

河川は都市部を貫流する点でも特徴的で、ブカレストを通過します。首都部を流れる区間は人工護岸や調整池で整備されており、洪水対策や都市景観の一部として管理されています。ブカレスト近郊には洪水調整やレクリエーション用途のための貯水池(例:モリイ湖など)も設けられており、都市と川の関わりが深い河川です。

全長はおよそ258kmの地点で、最終的にアルゲシュ川に合流します。合流点はカッララシュ県にあるブデシュティ付近で、この付近からさらにドナウ川流域へと水が運ばれます。

流域は上流の山岳環境から下流の農耕地や都市を含む多様な地形で構成され、多数の小さな支流を集めます。歴史的には地域の生活用水や灌漑、交易路としての役割がありましたが、近年は都市化や産業活動の影響で水質や生態系への課題も指摘されています。そのため、河川の浄化や護岸の自然化、洪水対策の強化といった保全・再生プロジェクトが進められています。

また、ルーマニアのダルムボヴィツァ郡(県名)はこの川にちなんで名付けられており、地域の地名や文化にも深く結びついています。