Dartmouth Collegeダートマス・カレッジ、発音:/ˈdɑrtməθ/)は、ニューハンプシャー州ハノーバーに位置する男女共学の私立大学で、法人名は「Trustees of Dartmouth College」です。アイビーリーグのメンバーであり、アメリカ独立以前に設立された9つのコロニアルカレッジの1つとして長い歴史を持ちます。学部のリベラル・アーツ教育に加え、医学、工学、ビジネススクールなど複数の専門大学院を擁し、合計で19の大学院プログラムが開かれています。総入学者数は約5,848人で、アイビーリーグの中では最小規模の大学です。

歴史

ダートマスは1769年、会衆派の牧師エレアザール・ウィーロック(Eleazar Wheelock)によって創設されました。当初はアメリカ先住民に対するキリスト教教育を意図した機関として始まり、その後ハノーバーの地に移転して大学へと発展しました。19世紀初頭には、州による大学運営への介入を巡る法的紛争が発生し、最終的に合衆国最高裁で争われたウッドワード評議員会事件(Dartmouth College v. Woodward, 1819)が重要な判例となりました。この判決は私的法人の権利を保護し、大学の私有的性格とチャーター(法人特許)の安定性を守る上で大きな意義を持ちます。ダートマスの19世紀後半の自己改革や、卒業生や寄付者による支援も大学の発展を支えました。

学術と教育

ダートマスは学部教育に強い重点を置くことで知られ、少人数クラスと教員との密接な指導が特徴です。学部ではリベラル・アーツと科学を基盤に幅広い専攻が提供されており、大学院・プロフェッショナルスクールには、ビジネス(Tuck School of Business)、工学(Thayer School of Engineering)、医学(Geisel School of Medicine)などの専門教育があります。研究活動も活発で、学部生にも研究参加の機会が多く与えられています。ダートマス特有の学期制度である「D-Plan」(柔軟な学期履修プラン)により、学生は学内外での学修やインターンシップ、留学のタイミングを柔軟に選べる点も特徴です。

キャンパスと学生生活

キャンパスはニューハンプシャー州アッパー・バレー地域にある269エーカー(約1.1 km²)に広がり、周囲は比較的落ち着いた町並みと自然に囲まれています。小規模で密なコミュニティ性があり、寮生活や学生団体、グリークシステム(社交クラブやフラタニティ/ソロリティ)も活発です。学生の多くが課外活動やスポーツに参加しており、学生生活は学術と課外活動が両立する構成になっています。

スポーツと対外活動

ダートマスのスポーツチームは一般に「Big Green」と称され、34の大学スポーツチームが活動しています。これらはNCAAディビジョンIで、アイビーリーグに出場しています。フットボールはFCS(旧I-AA)区分で戦い、アイビーリーグの伝統的なライバル校との対戦は学生や同窓生にとって大きな催しです。

国際連携とネットワーク

国際協力・連携にも力を入れており、2010年にはチュービンゲン大学(ドイツ)、ダーラム大学(イギリス)、クイーンズ大学(カナダ)、オタゴ大学(ニュージーランド)、西オーストラリア大学(オーストラリア)、ウプサラ大学(スウェーデン)などとともに、マタリキ・ネットワーク・オブ・ユニバーシティ(MNU)に加盟しました。こうした国際ネットワークは学生交換、共同研究、教員交流など多方面での協働を促進しています。

評価と卒業生

2004年には、ブーズ・アレン・ハミルトン社がダートマスを機関耐久性の模範と評価し、大学の長期的な安定性と商業・学術両面での影響力を指摘しました。歴史的に著名な卒業生には、法廷で大学を擁護した弁護士であるダニエル・ウェブスターなどがおり、多くの卒業生が政治、経済、学術、芸術分野で活躍しています。入学の競争率は高く、学術的にも課外活動の面でも意欲的な学生が集まる環境です。