ディーゼル・マルチプル・ユニット(DMU)は、2両以上の半永久連結された客車からなる旅客列車であり、別の機関車に頼らず、各車両が自らの動力装置を備えています。実際には、1両で完結する単独の鉄道車両から、複数の車両それぞれにエンジン、伝達装置、運転台を備えた編成まで幅があります。この構成は、牽引力を列車全体に分散させる動力分散式車両の一例です。
設計と主な構成要素
典型的なDMUの構成要素には、ディーゼル原動機、動力伝達装置(機械式、油圧式、または電気式)、燃料タンク、台車、旅客設備、運転台が含まれます。駆動方式は、直接機械式であったり、油圧トルクコンバーターを用いたり、発電して主電動機を回す方式であったりします。近年の多くの設計では、ディーゼルエンジンに加えて車上バッテリーや電気システムを組み合わせています。
動力と燃料の仕組み
DMUの決定的な特徴は、車上に搭載されたディーゼルエンジンがあることです。エンジンは床下、動力車内、または各車両内部に設置されます。配置はさまざまで、各車にエンジンを持つ編成もあれば、専用の動力車に出力を集約するものもあります。効率向上と排出削減のため、ディーゼルエンジンに電池や電化区間を組み合わせたハイブリッド構成も存在します。
歴史と発展
DMUは20世紀に、停車回数が多い路線や旅客需要の少ない路線で、機関車牽引列車に代わる経済的な選択肢として登場しました。加速性能の良さ、運用の簡素さ、折り返し時間の短さから、地方輸送や支線輸送で広く普及しました。長年にわたり、メーカーは座席配置、騒音低減、排出ガス制御を改良してきました。
用途、利点、留意点
- 電化が行われていない、または電化が経済的でない区間で、通勤、都市間地域輸送、地方輸送に広く使われます。
- 利点として、動力分散により加速が向上し、入換えや機関車交換が不要で、編成長を柔軟に調整できます。
- 留意点として、ディーゼル排出、複数の動力装置の保守、燃料費があります。これらの課題には、ハイブリッド化やよりクリーンなディーゼル技術が対応しています。
DMUは、運用上の柔軟性とインフラ費用の抑制を両立できるため、世界の多くの鉄道網で重要な役割を担い続けています。機関車が客車を牽引するディーゼル機関車とも、電車である電気式マルチプル・ユニットとも異なりますが、近年の設計では、効率と環境目標を満たすために両者の技術を取り入れる傾向が強まっています。