エドワード・カスナー(1878–1955)は、アメリカの数学者であり、数学の普及・啓蒙にも力を注いだ人物です。特に、グーゴルという言葉やグーゴルプレックスという語を広めたことでよく知られています。
経歴と教育
カスナーは学問を積み重ね、コロンビア大学に進学して1899年に博士号を取得しました。以後、教育者として長年にわたり大学で教鞭をとり、数学の研究だけでなく、一般向けの解説・普及活動にも力を入れました。学生や一般読者に分かりやすく数学の概念を伝えることを重視し、多くの講義や著述を残しています。
グーゴル(googol)とグーゴルプレックスの名前の由来
1920年代頃、カスナーは「非常に大きな数」を表すキャッチーな名前を作ろうと考えました。ある日ニュージャージー州のパリセーズで、甥のミルトン(ミルトン・シロッタ、c. 1911–1980)とその兄弟エドウィン・シロッタと一緒に散歩していた際、カスナーは彼らに良い名前を提案するよう頼みました。若いミルトンが即座に「グーゴル(googol)」と答えたと伝えられています。
グーゴルは通常、10の100乗(すなわち 1 の後に 100 個のゼロが続く数)として定義されます。これに対して グーゴルプレックス は、グーゴルを指数とした10のべき(すなわち 10^(googol)、または「1 の後にグーゴル個のゼロが続く数」)として説明されることが多く、極めて桁外れに大きな数の例として用いられます。これらの名前は厳密な数学的構成よりも「大きさの概念を直感的に示す」ための表現として考案されました。
著作と普及活動
1940年、カスナーはジェームズ・ロイ・ニューマンと共著で数学と想像力ISBN 0486417034という一般向けの数学書を刊行しました。この本は数学のアイデアを豊富な例と平易な説明で紹介するもので、グーゴルという語が大衆に広く知られるきっかけになりました。カスナーの平易で創造的な解説は、多くの読者に数学の面白さを伝え、数学普及の一助となりました。
影響と遺産
カスナーが広めた「グーゴル」「グーゴルプレックス」という言葉は、教育現場や一般向けの解説で非常に大きな数を説明する際によく用いられます。また、インターネット検索サービスの名称にも影響を与えました。ウェブサイトのグーグルは、カスナーのナンバーgoogolにちなんで命名されたことが知られています(社名は"googol"の語に由来しますが、綴りが変形されています)。
総括:エドワード・カスナーは学術的な業績に加え、数学を一般に分かりやすく伝える能力で高く評価されます。彼が甥とともに生み出した言葉は、数学教育や文化のなかで長く残り続けています。