Ekiga(旧称 GnomeMeeting)は、GNOME および Windows 向けのフリーで オープンソースの VoIP・ビデオ会議アプリケーションです。SIP と H.323(OpenH323 ベース)の双方をサポートし、他の SIP 準拠クライアントや Microsoft NetMeeting と相互運用できます。音声・映像のコーデックは GStreamer や OpenH323 に依存しているため、利用環境にインストールされたプラグインにより多くの高品質コーデックを利用可能です。

主な特徴

  • SIP および H.323 の両プロトコルに対応し、SIP レジストラ/プロキシや H.323 ゲートキーパー経由での接続が可能。
  • 音声(例:G.711、Speex、GSM など)および映像(例:Theora、H.263 など)コーデックをサポート。対応コーデックは GStreamer / OpenH323 のプラグインに依存。
  • アドレス帳や通話履歴、連絡先の管理(GNOME のアドレス帳や LDAP と連携可能)。
  • 発信者番号表示、コール転送、転送保留、呼び出し待ち(call waiting)などの一般的な電話機能。
  • STUN などによる NAT 越え設定をサポートし、NAT/ファイアウォール環境での接続性を改善。
  • 複数アカウントの同時使用、会議(マルチパーティ)通話の基本サポート。
  • GStreamer を利用することで、音声/映像の録音・保存やフィルター追加など拡張が可能。
  • クロスプラットフォーム(主に Linux/UNIX 系と Windows)対応。ライセンスは GPL ベースのフリーソフトウェア。

技術的背景と開発

Ekiga はもともと Damien Sandras 氏がルーバン大学の卒業研究として開発を始めたプロジェクトで、後にコミュニティベースでの開発に移行しました。現在もサンドラス氏を中心に有志の開発チームが保守・改良を行っています。ロゴは彼のアイディアを基に、オープンソース愛好家の Andreas Kwiatkowski 氏がデザインしました。

導入と運用上のポイント

  • 多くの Linux ディストリビューションではパッケージ管理からインストール可能(パッケージ名は「ekiga」など)。Windows 用のビルドも提供されていた時期がありますが、配布状況は環境や時期によって異なります。
  • 音声・映像品質は使用するコーデックやネットワーク帯域、GStreamer のプラグインに依存します。必要なコーデックがない場合は追加のプラグインを導入してください。
  • NAT やファイアウォール下では STUN 等の設定が必要になる場合があります。企業ネットワークでは SIP トラフィックの通過可否を事前に確認してください。
  • プロジェクトの活動状況や最新版、サポート情報は公式サイトやソースリポジトリ、配布パッケージのドキュメントで確認することをおすすめします。

利用シーン

個人ユーザのソフトフォンとしての利用、少人数のビデオ会議、既存の SIP/H.323 インフラとの統合テストなどに向きます。デスクトップ環境に統合されたインターフェースを持つため、日常的な音声通話・ビデオ通話のクライアントとして手軽に使えます。

総じて、Ekiga はオープンな通信プロトコルを採用したデスクトップ向けの VoIP/ビデオ会議ソフトウェアであり、コーデックやプラットフォームに柔軟に対応できる点が特徴です。