心電図(ECG/EKG)とは|定義と測定の仕組み、検査でわかること
心電図(ECG/EKG)の定義から測定の仕組み、無痛で分かる心拍・リズム異常や心臓疾患の診断ポイントを図解でわかりやすく解説。
心電図(ECGまたはEKG)は、一定期間の心臓の電気的活動を記録したものです。Willem Einthovenによって発明され、皮膚の外側に取り付けられた電極を通して、体外の装置で記録します。簡便で非侵襲的な検査であり、短時間で多くの情報を得られるため日常的に用いられます。
測定の仕組み
心臓は拍動ごとに電気的な信号(活動電位)を発生させ、それが心筋を伝わることで収縮と弛緩を引き起こします。心電図はこの電気信号による体表面の電位差を複数の電極で測り、時間軸に沿って波形として記録します。電極の配置の組み合わせ(リード)により、心電図は心臓の異なる「視点」からの情報を得られます。
ECG波形の基本(簡潔な見方)
- P波:心房の脱分極(収縮の前の電気的変化)。
- PR間隔:房室伝導の時間(通常120–200 ms)。
- QRS波群:心室の脱分極(通常<120 ms)。幅が広いと心室内伝導障害を示唆することがあります。
- ST部分:心筋の再分極開始部位。上昇や低下は虚血や梗塞を示す手がかりになります。
- T波:心室の再分極(回復)を表します。
- QT間隔:電気的興奮と回復全体の時間(心拍数に依存するため補正QT〈QTc〉で評価)。
心電図でわかること(主な診断用途)
- リズム異常:心房細動、頻拍(上室性・心室性)、徐脈などの不整脈の検出と分類。
- 虚血・梗塞の評価:ST上昇は急性心筋梗塞、ST低下やT波逆転は虚血を示唆することがあります。既往の梗塞はQ波として残ることがあります。
- 心肥大・増大の推定:電圧の増大や波形の変化から左室肥大や右室肥大を推測できます。
- 伝導障害:房室ブロック、脚ブロック(右脚/左脚ブロック)など。
- 電解質異常や薬剤の影響:高カリウムではT波の尖鋭化、QT延長は特定の薬剤や低カルシウムで生じ得ます。
- 人工ペースメーカーの作用確認:ペースメーカーの刺激スパイクや追従を可視化できます(人工ペースメーカーの影響)。
- 心室の位置や大きさ、心筋損傷の有無、心拍数やリズムのパターン確認(心拍、リズム)など。
検査の種類
- 12誘導心電図:標準的な検査。胸部6誘導+四肢6誘導で心臓を多方向から評価します。
- リズムストリップ(連続記録):特定のリードを長時間記録して不整脈を評価。
- ホルター心電図:24時間〜数日間の携帯型連続記録で、発作性不整脈や無症候性の異常を検出します。
- イベントレコーダー:症状時に記録する装置。症状がまばらな場合に有用。
- ベッドサイドモニタ(テレメトリー):入院中の持続監視。
検査前の準備と手順
- 特別な準備はほとんど不要です。胸部や四肢の皮膚が濡れていると電極がつきにくいため乾いた状態にしておきます。
- 女性は胸元を露出しやすい服装が望ましい場合があります。必要に応じて胸の毛を剃ることがあります(電極の密着のため)。
- 検査は横になって静かに安静を保ち、数十秒〜数分で完了します(12誘導であれば通常1分以内で取得可能)。
- 検査中は体を動かさない、会話を控えるなどの指示に従ってください。筋電図(体の震え)や呼吸で波形にノイズが入ることがあります。
安全性・痛み・報告
心電図は非侵襲的で痛みを伴わない検査です。電極の接着で皮膚にかぶれが出ることがまれにありますが、重大なリスクはほとんどありません。結果は通常その日のうちに判定・報告されますが、詳細な精査が必要な場合は追加検査や専門家の再評価が行われます。
限界と注意点
- 心電図は非常に有用ですが万能ではありません。たとえば安静時の12誘導ECGで虚血が出ないこともあり、症状と合わせて負荷心電図や血液検査、画像検査(心エコー、冠動脈CTなど)が必要になることがあります。
- 電極の位置や誤配置、筋電ノイズ、外部電気機器の干渉などで偽陰性・偽陽性の波形が出ることがあります。
- 心臓の構造異常や軽度の電気的異常は心電図で見逃されることがあるため、臨床症状との照合が重要です。
よくある質問
- Q:検査は痛いですか?
A:ほとんど痛みはありません。電極をはがすときに軽い不快感がある程度です。 - Q:検査時間はどれくらいですか?
A:12誘導は数十秒〜1分、準備を含めても10分程度で終わることが多いです。ホルターなどは24時間〜数日の装着になります。 - Q:結果はすぐにわかりますか?
A:一般に当日中に結果が出ますが、細かな解析が必要な場合は時間がかかることがあります。
心電図は迅速かつ有用なスクリーニングおよび診断ツールです。異常が疑われる場合や不整脈、胸痛、失神などの症状がある場合は医師が心電図を用いて評価を行います。必要に応じて追加検査を受けてください。
質問と回答
Q:心電図とは何ですか?
A:心電図(ECGまたはEKG)とは、一定期間の心臓の電気的活動を記録したものです。
Q: 心電計を発明したのは誰ですか?
A: Willem Einthovenが心電計を発明しました。
Q: 心電図はどのように機能するのですか?
A: 心電図は、皮膚の外側に電極を取り付け、心臓を通過する電気信号を記録することで機能します。
Q: 医師は心電図で何を診断できるのですか?
A:医師は心電図を使って様々な心臓の状態を診断し、心拍数や規則性、心室の大きさや位置、心臓の損傷の有無、心臓を調整するための薬や装置の効果を測定することができます。
Q: 心電図は痛みを伴う検査ですか?
A:いいえ、心電図検査は痛みを伴わない検査です。
Q:心電図の結果はいつ報告されるのですか?
A:心電図の結果は、検査したその日に報告されることが多いようです。
Q:心電図は何をモニターするのですか?
A:心電図は、電気的インパルスによって引き起こされる心臓の各拍動を記録することによって、心臓を監視します。
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