ELISA法(酵素免疫測定法)とは:原理・手順・用途を分かりやすく解説

ELISA法(酵素免疫測定法)の原理・手順・用途を図解で分かりやすく解説。実験のポイントや結果解釈、ELISPOTとの違いも簡潔に紹介。

著者: Leandro Alegsa

Enzyme Linked Immuno-Sorbent Assay(ELISA法)は、生化学の分野で、特定の物質(例えば、特定のサイトカインや抗原)が試料中に存在するか、あるいはその濃度を測定するために広く用いられる免疫学的検出法です。EIAと略されることもあります。

ELISAでは、目的物質に結合する特殊な抗体を用い、その抗体に結合した酵素が基質を化学反応で変化させることで、発色(または蛍光・化学発光)を生じさせます。生成される信号の強さ(色の濃さや発光強度)から、目的物質の有無や量を定量します。

原理(簡潔に)

  • 特異的結合:抗原と抗体の特異的結合を利用して、目的物質を選択的に捕捉する。
  • 酵素標識:検出用抗体や二次抗体に結合した酵素(例:HRP(ペルオキシダーゼ)、AP(アルカリホスファターゼ))が基質と反応し、検出可能なシグナルを生じる。
  • 定量化:既知濃度の標準品で作った濃度-シグナルの標準曲線を用いて、試料中の濃度を算出する。

ELISAの主な種類

  • サンドイッチELISA:固相化した捕捉抗体で目的抗原を捕獲し、続いて酵素標識された検出抗体で認識する。高感度かつ特異性が高い。タンパク質やサイトカインの定量で一般的。
  • 直接法(Direct ELISA):固相上の抗原に酵素標識一次抗体を直接結合させて検出する。手順が簡単だが感度はやや低い。
  • 間接法(Indirect ELISA):一次抗体で抗原を認識し、酵素標識された二次抗体で検出する。抗体生成の確認などに用いられる。
  • 競合法(Competitive ELISA):試料中の抗原と既知量の標識抗原が抗体と競合する仕組みで、低分子抗原の測定に向く。

一般的な手順(ステップ)

  • 1. プレート(通常96ウェル、高結合ポリスチレン)に捕捉抗体または抗原をコーティングし、インキュベーション。
  • 2. ブロッキング(非特異吸着を防ぐため、BSAや脱脂乳などでウェルをブロック)。
  • 3. 試料・標準液を加え、目的物質を結合させる(インキュベーション)。
  • 4. 洗浄(結合していない成分を除去)。十分な洗浄はバックグラウンド低減に重要。
  • 5. 検出抗体(酵素標識)を添加し、再度インキュベート、洗浄。
  • 6. 基質を添加し、酵素反応で発色・発光を起こす。反応を停止させる(必要に応じて)。
  • 7. プレートリーダーで吸光度(通常は450 nmなど)、蛍光、または化学発光を測定。
  • 8. 標準曲線から濃度を算出する。

主な試薬・機器

  • 酵素標識:HRP(基質例:TMB、OPD)、AP(基質例:pNPP)など。
  • 基質:TMB(青→停止で黄、測定波長450 nm)、OPD、pNPP、ルミノール(化学発光)など。
  • ブロッキング緩衝液:BSA、ケースイン、脱脂乳など。
  • 洗浄バッファー:PBST(PBS+Tween-20)など。
  • 機器:マイクロプレートリーダー(吸光、蛍光、発光対応)、マルチチャンネルピペット、シェーカーなど。

データ解析と定量

  • 標準品を複数濃度で測定し、シグナル対濃度の標準曲線を作成(線形または4パラメータロジスティックが一般的)。
  • 試料のシグナル値を標準曲線に照らして濃度を算出する。希釈因子を戻すのを忘れない。
  • 適切なコントロール:陰性コントロール、陽性コントロール、ブランク(基質のみ)を必ず設定する。

用途

  • 臨床検査:感染症抗体やホルモンの検出。
  • 研究用途:サイトカイン、成長因子、タンパク質濃度の測定。
  • 食品・環境検査:アレルゲンや毒素の検出。
  • ELISPOTのようにELISAから派生した高感度技術や、ビーズベースのマルチプレックス免疫測定(Luminexなど)による多項目同時測定も広く使われる。

利点・制限と注意点

  • 利点:感度が高い、簡便で比較的安価、定量が可能、ハイスループットに適する。
  • 制限:抗体の特異性に依存するため交差反応が問題になる場合がある。マトリックス効果(血清や細胞培養上清など)により結果が影響されることがある。
  • 注意点:十分な洗浄とブロッキング、適切なコントロール、標準曲線の信頼性が結果の正確さを左右する。基質反応は時間・温度に敏感なので、厳密な操作が必要。

よくあるトラブルと対処法(簡単)

  • 高いバックグラウンド:洗浄不足かブロッキング不十分。洗浄回数を増やす、ブロッキング条件を見直す。
  • シグナルが弱い:抗体の活性低下、基質の劣化、インキュベーション時間不足。抗体や基質を新しいものに変える、インキュベーション条件を最適化。
  • 再現性が悪い:ピペッティング誤差、プレートの扱い。マルチチャンネルピペットやシェーカーの使用、同一ロット内での測定を推奨。

まとめ:ELISAは抗体と酵素反応を組み合わせた汎用性の高い免疫測定法で、原理は単純ながら応用範囲は広いです。目的に応じたELISA方式の選択、適切なコントロール、試薬・手順の最適化が正確な測定の鍵になります。

質問と回答

Q: ELISAとは何ですか?


A: ELISAとはEnzyme Linked Immuno-Sorbent Assay(酵素結合免疫吸着分析法)の略で、生化学において試料中の特定物質の存在を検出するために用いられる手法です。

Q: ELISAはどのように機能するのですか?


A: ELISA法では、検査対象物質に結合する抗体を用いて、その物質の量を示す特定の色を発色させます。

Q: ELISAはどのような物質を検出できますか?


A: ELISAは検体中の特定のサイトカインや抗原を検出することができます。

Q: ELISAで発色する色の量は何を示しますか?


A: ELISAで発色する色の量は、検体中に存在する検査対象物質の量を示します。

Q: 検体中の特定の物質を検出するために使用される技術はELISAだけですか?


A: いいえ、ELISA法から派生したELISPOT法と呼ばれる、より洗練された感度の高い技術があります。

Q: ELISA法で使用される2組目の抗体の役割は何ですか?


A: ELISAの第2抗体セットは、検査対象物質を捕捉するために使用され、検査対象物質と検査容器の両方に付着して物質を固定します。

Q: ELISA法では物質が検出されると必ず色が出ますか?


A: 常にではありません。抗体を発色させるためには、物質を紫外線の下で観察しなければならないこともあります。


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