エントラップメント(おとり捜査)とは?定義・違法性と法的抗弁の解説

エントラップメント(おとり捜査)の定義・違法性・法的抗弁をわかりやすく解説。判例、対処法、弁護のポイントまで詳述。

著者: Leandro Alegsa

エントラップメントとは、特に当局が有罪判決を得るために、犯罪を犯すように誘導することです。この場合、その人が犯罪を犯す可能性が低いことを意味する。国によっては、おとり捜査は刑事責任に対する抗弁の可能性があります。

また、似たような言葉として、agent provocateur(エージェント・プロヴォケーター)という、誘導する側の人物を表す古いフランス語の言葉もあります。

おとり捜査は、犯罪者を罠にかけるより洗練された方法です。通常、餌を置き、その餌を取る人を撮影したり、捕まえたりします。

エントラップメントのポイント(一般的な理解)

  • 主体的誘導:捜査当局やその代理人が、対象者に対して犯罪を実行するよう働きかけること。
  • 対象の素因(predisposition):誘導される以前にその人物が当該犯罪を行う傾向があったかどうかが重要視されます。
  • 単なる機会提供との区別:既に犯罪を企図している者に単に「機会」を与えただけか、犯罪を思いとどまらせるべき人を誘発したかが争点になります。

裁判での評価基準(代表的な観点)

各国の裁判所は、主に次の点を検討します。

  • 当局の働きかけの強さや手法(欺罔、圧力、繰り返しの勧誘、金銭的誘引など)
  • 被疑者の過去の行為や態度(前科や犯行計画の有無、即断性)
  • 誘導がなければ犯罪が発生したかどうか(因果関係)

国ごとの扱い方の違い(概説)

  • アメリカ合衆国:連邦最高裁は「政府の誘導(inducement)」と「被告の素因(predisposition)」の有無に着目する立場を取っており、被告が本来犯罪を犯す意図が乏しかった場合にはエントラップメントを主張して有罪を免れることがあり得ます(代表的判例を通じて基準が発展)。
  • イギリス・その他のコモンロー圏:伝統的に「エントラップメント」が直接の無罪抗弁として認められるかは制度によるが、訴追の濫用(abuse of process)や公正な裁判を受ける権利に基づき、証拠排除や訴追停止が検討されることがあります。
  • 日本:明確な「エントラップメント」法理が確立しているわけではありませんが、違法・不当な捜査手法があった場合には証拠の評価や自白の任意性に影響し、場合によっては証拠として排除されたり不起訴の要因となることがあります。具体的な適用は個々の事案での裁判所判断に委ねられます。

裁判所が重視する具体的事情(例)

  • 誘導者が被疑者に犯罪実行をそそのかすために用いた手段の性質(脅迫、金銭、性的誘因など)
  • 誘導が長期間にわたるか短期か、被疑者の決断にどれだけ影響を与えたか
  • 被疑者の行為が計画的か瞬間的な反応か
  • 被疑者が外部からの働きかけに屈したか、既に内心で犯罪を企図していたか

可能な救済・法的効果

  • 刑事裁判での証拠排除(証拠能力の否定)
  • 場合によっては訴追の取り下げ不起訴決定につながること
  • 違法捜査による人権侵害が認められれば、警察や国家に対する民事賠償請求や行政上の処分が検討される可能性

捜査機関側の注意点(実務上のガイドライン)

  • 捜査の正当性・必要性を常に確認し、過度な誘導や欺罔行為を避ける
  • 潜入・おとり捜査にあたっては上級の承認や記録の整備を行い、透明性を確保する
  • 被疑者の脆弱性(精神的障害、弱年齢など)を考慮し、不当な利用を避ける

被疑者や市民への実務的助言

  • 不自然に積極的な誘いを受けた場合は、安易に応じないこと。可能なら弁護士に相談する。
  • 当局の職員や潜入者が関与していると疑われる場合、そのやり取り(日時・場所・発言内容)を記録・保存する。
  • 逮捕・取り調べを受けたら黙秘権や弁護人依頼の権利を行使することを検討する。

まとめ

エントラップメントは、表面的には犯罪の摘発に役立つ手法でもありますが、捜査当局の過度な誘導は法的に重大な問題を生じさせます。多くの法域で、誘導の程度と被疑者の素因の有無が争点になり、場合によっては証拠排除や訴追の中止といった救済がなされます。具体的な扱いは国や事案ごとに大きく異なるため、実際に疑義が生じた場合は、早期に専門家(弁護士)に相談することが重要です。

質問と回答

Q: 囮捜査とは何ですか?


A: おとり捜査とは、当局が有罪判決を得るために誰かに犯罪を犯させることです。

Q: おとり捜査は、国によっては刑事責任に対する抗弁となり得ますか?


A: はい、国によっては、囮捜査は刑事責任に対する抗弁として利用できます。

Q:囮捜査官とは何ですか?


A:「agent provocateur(挑発工作員)」とはフランス語で、犯罪を誘発する人物のことを指します。

Q:おとり捜査とは何ですか?


A:おとり捜査とは、犯罪者を捕まえるより洗練された方法で、通常、餌を置き、その餌にかかった者を撮影したり、捕まえたりします。

Q:おとり捜査はおとり捜査とどう違うのですか?


A:おとり捜査では、当局が犯罪者を捕まえるためにエサを置きますが、おとり捜査では、当局が犯罪を犯すように誘導します。

Q:なぜおとり捜査は刑事責任に対する抗弁の可能性があると考えられているのですか?


A: おとり捜査は、当局の誘導がなければ犯罪を犯さなかったということを示唆するものであるため、刑事責任に対する抗弁の可能性があると考えられています。

Q: おとり捜査は当局によってのみ用いられるのですか?


A:はい、囮捜査とは、通常有罪判決を得る目的で、当局が犯罪を犯すよう誘導することです。


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