アマルテアは、木星に3番目に近い月である。1892エドワード・エマーソン・バーナードによって9月9日に発見され、ギリシャ神話のニンフであるアマルテアにちなんで名付けられた。木星5号とも呼ばれる。

概要

アマルテアは不規則な形状をした内側の小型衛星で、満月と比べると非常に小さい天体だが、木星に非常に近いため空に浮かぶ木星は大きく見える。赤みを帯びた色をしており、表面には多数のクレーターや起伏が見られる。物質組成は氷と揮発性化合物、さらには硫黄や岩石質の混合物を含むと考えられている。

物理的性質(主な値)

  • 形状:不規則(おおよその寸法は約250 × 146 × 128 km)
  • 質量:およそ2.0×10^18 kg(推定)
  • 平均密度:およそ0.8–1.0 g/cm³(多孔質で氷を多く含む可能性)
  • 表面重力:非常に低い(およそ0.02 m/s² 程度、場所により差)
  • 軌道:木星からの平均距離は約181,000 km、軌道周期は約0.5日(約11.9時間)、潮汐ロックされ自転は公転と同期している
  • 反射率(アルベド):低めで暗い表面

表面と色

アマルテアは非球形で表面が赤茶色に見えるのが特徴で、この赤みは隣接する火山活動が活発な衛星イオから来る硫黄化合物や微粒子の堆積と関連があると考えられている。また、観測からは水の氷やその他の揮発性物質が表面や内部に含まれている可能性が示唆されている。表面には大きなクレーターや急峻な山、崖などの地形が確認されている。

観測史と探査

1979年と1980年にボイジャー1号、2号がアマルテアの初期の画像を取得し、続いて1990年代にはガリレオ探査機がより詳細な観測を行った。これらの探査により形状や表面の粗さ、軌道要素などが大きく明らかになった。地上望遠鏡や宇宙望遠鏡による観測も補助的に行われている。

役割と重要性

アマルテアは木星の希薄な環(特にガスパサー環や「アマルテア・リング」に関連する微粒子供給源)の一つと考えられている。微小隕石の衝突などで放出された塵が木星環を形成・維持するのに寄与している可能性がある。また、密度や組成を通じて木星系内での衛星形成や進化、外来物質の交換過程を理解する手がかりを提供する天体である。

今後の観測

より高解像度の観測や分光観測によって表面の鉱物学的組成や氷・有機物の存在比、内部構造の詳しい把握が期待される。将来の探査ミッションや地上・宇宙望遠鏡の観測により、アマルテアの起源や木星系内での相互作用がさらに明らかになるだろう。