野球における失策とは、公式記録員の判断で、通常の努力があれば防げたはずのプレーにより、打者や走者に1つ以上の追加塁進を許した守備側のミスを指す。記録では、野手の守備位置を示す記号を付けてEと表し、たとえば遊撃手の失策はE6と書く。失策は、守備のミスを記録するための基本的な集計項目の一つであり、さらに自責点と非自責点を区別する際にも用いられる。

定義とよくある場面

そのプレーが失策かどうかは、公式記録員が判断する。典型的な場面には、ゴロの処理にもたつく、送球がそれる、捕れるはずのフライを落とす、あるいは追加塁を許すようなミスプレーなどがある。これに関連する事象の一部は別の扱いとなり、たとえば捕逸や暴投は失策として記録されない。また、捕手妨害には独自の記録規則がある。

  • 表記と位置: 失策はEに数字または守備位置を付けて表す。標準の守備位置番号は1(投手)から9(右翼手)までである。
  • 失策の種類: 守備の失策(打球処理のミス)、送球失策(悪送球)、捕球・受け渡しの失策(落球や処理ミス)に分けられる。

失策が打撃成績や他の統計に与える影響

失策の判定は、いくつかの攻撃・投手成績に影響する。公式記録員が、打者が野手のミスだけで出塁したと判断した場合、その打席は安打にはならず、打数に数えられ、通常は失策として記録される(その結果、打率は下がる)。一方で、ミスがなくても打者が少なくとも一塁までは安全に到達できたと記録員が考えた場合、到達した追加塁に対して失策を付けたうえで安打として記録されることがある。

失策のあとに入った得点は、投手の防御率を計算する際に、その回を組み直した結果として非自責点にされることがある。同様に、失策だけが原因で得点した走者については、通常、打者に打点は付かない。ただし、その得点が失策の有無にかかわらず生じたと記録員が判断した場合は別である。また、本来はアウトになったはずの打球が失策のためにセーフになった場合は、安打ではなく、失策付きの野手選択として記録される。

歴史、記録の実務、現代的な見方

失策は19世紀から野球の記録に含まれており、当初は野手の技量や用具の質を反映する指標でもあった。公式記録員には幅広い裁量が与えられており、その主観性は現在も残る。同じプレーでも、記録員が異なれば判断が分かれることがある。時代が進むにつれて、グラブ、球場、専門的な練習の向上により失策は少なくなってきた。近年では、守備力の評価において、単純な失策数を補完または置き換えるものとして、Defensive Runs Saved や Ultimate Zone Rating などの高度な守備指標が開発されている。

事例、慣例、論争

記録をそろえるために、いくつかの慣例が用いられる。記録員は、そのミスプレーが通常の範囲の処理だったのか、それとも特別に難しいものだったのか、送球は本来完了していたはずか、また打者に安打と失策を同時に与えるべきか、といった点を判断する。これらの判断は、接戦ではしばしば論争の的となり、チームや個人の記録・統計に影響することもある。公式記録や規則については、公式記録員の役割や、リーグ統計ページなどの主要な統計資料にある一般的な記録基準を参照するとよい。安打、打点、自責点の扱いは記録マニュアルや解説資料に示されており、たとえば安打と失策の区別や、非自責点の算出方法の説明がある。

実際の例や、記録員がこれらの原則をどう適用するかを示す場面については、ルールブックや教育資料にある指導用リソース、プレーごとの記録例を参照するとよい。入門的な記録ガイドは、多くの野球情報サイトや研修資料にあり、基本的な記録の手引きや図解されたケースが含まれる(例とシナリオ)。より深い統計解釈や、失策が守備と投手の総合評価にどう影響するかを知るには、高度な指標やセイバーメトリクスの議論が追加の文脈を与える(高度な守備指標)。

失策は客観的な結果と主観的判断が混ざる指標であるため、守備力を評価する際には他の指標と併用するのが望ましい。スコアブック上では明確なミスを示す一方で、現代的な評価では、守備範囲、位置取り、プレーの難度も考慮して、野手の貢献をより全体的に見る。