FSB(ロシア連邦保安庁)とは:KGBの後継機関・任務と組織概要
FSB(ロシия語表記:ФСБ)は、ロシアで国内の治安と国家安全を担当する主要な情報・治安機関である。ソビエト連邦崩壊後に解体されたKGBの国内部門を源流とし、1990年代に再編を経て現在の形が整った。英語の資料では通常、単にFSBと呼ばれることが多い(ФСБは「連邦保安庁」を意味する)。本部はモスクワ中心部のルビャンカ広場にある旧KGB本館に置かれている。
主な任務と活動領域
- 防諜(国内における外国勢力の情報活動の阻止)や、対外・対内の情報収集に基づく国家安全の維持。
- 国内・国境の警備と管理(国境警備隊の一部を管轄する部門を通じて国境の安全確保を行う)。
- テロ対策と特殊作戦(過激派の摘発や対テロ作戦の計画・実行)。
- 監視、通信の傍受やサイバーセキュリティに関する業務を含む各種の監視などを通じた国内治安の維持。
- 組織犯罪、重大経済犯罪、国家機密の保護に関する捜査・摘発。
- 重要人物の警護や重要施設の防護、国家機関に対する保安措置の実施。
組織構成と特殊部隊
FSBは本部のほか、地方ごとに地域本部(管区局)を持ち、複数の専門局(対諜報局、反テロ局、サイバー防護局など)で構成される。特殊部隊としては、いわゆる「アルファ」や「ヴィンペル」などの特殊任務部隊を擁し、対テロ作戦や高リスクな拘束作戦に投入されることがある。指揮系統は長官(Director)を頂点とし、副長官や各局長が下に続く形で編成されている。
歴史的経緯(概略)
- 1991年:ソ連崩壊に伴いKGBが解体され、その国内部門は大きな再編を余儀なくされた。
- 1990年代初頭〜中盤:国内治安機能を担う新組織として複数の移行期組織が設けられ、1995年に現在のFSBが成立した。
- 2000年代:組織再編や権限拡大により、国境警備や対テロ部門の強化が進められた。
国内外での評価と論争
FSBはロシア国内の治安維持に重要な役割を果たす一方で、人権団体や一部の国外政府からは、政治的反対者や市民社会への監視・弾圧、言論の自由への影響などについて批判や疑念が挙げられている。また、国際的に関係する事件(情報活動やサイバー攻撃、毒物事件など)を巡って、FSBが関与したとの指摘や捜査が報じられることもある。こうした論争は国内外での評価を複雑にしている。
2008年以降のFSB長官は陸軍大将のアレクサンドル・ボルトニコフであり、組織の長期的な運営に影響を与えている。


FSBのエンブレム
質問と回答
Q: FSBとは何ですか?
A:ロシア連邦保安庁は、ロシア国内の内政に関する国の治安を担当する組織です。
Q: FSBはどのような組織の後にできたのですか?
A: FSBはKGBの後身です。
Q: FSBは英語の情報源では通常どのように呼ばれていますか?
A: FSBは通常、英語の資料では単にFSBと呼ばれています。
Q: FSBの主な任務は何ですか?
A:FSBの主な任務は防諜、国内・国境警備、テロ対策、監視です。また、その他の重大犯罪の捜査も行っています。
Q:ロシア連邦保安庁の本部はどこにありますか?
A: FSB本部はモスクワの中心部、ルビャンカ広場の旧KGB本館の中にあります。
Q:ロシア連邦保安庁長官は誰ですか?
A:2008年以降のFSB長官は、アレクサンドル・ボルトニコフ陸軍大将です。
Q:FSBは何をしているのですか?
A:FSBは防諜、国内・国境警備、テロ対策、監視を行っている。また、国の安全を確保するため、その他の種類の重大犯罪も捜査している。