『ハロウィン』シリーズは、1978年の第1作『ハロウィン』を出発点とするホラー映画の長期フランチャイズである。第1作はジョン・カーペンター監督が共同脚本を手がけ、ムスタファ・アッカドが製作を務めた。スラッシャー映画の代表作とされ、単純かつ強烈な恐怖描写と、アイコニックなヴィラン像で広く知られている。

概要と主な設定

物語の中心は、幼少期に姉のジュディス・マイヤーを刺殺した罪で療養所に収容されたマイケル・マイヤーズが、15年後のハロウィンの夜に脱走して故郷ハドンフィールドに戻り、再び殺人を繰り返す、というものだ。マイケルは無表情の白いマスクと無言の沈黙で恐怖を演出する不気味な存在として描かれ、様々な俳優によって演じられてきた。

主要人物

  • マイケル・マイヤーズ — シリーズを通じての主要な殺人鬼。沈黙と無差別な暴力性、象徴的なマスクが特徴。
  • サミュエル・ルーミス博士(作中表記:ルーミス) — マイケルを診断・監視してきた精神科医。初期作ではドナルド・プレザンスが演じ、マイケルを追う存在としてシリーズに深い影響を与えた。
  • ローリー・ストロード — 「ファイナル・ガール」として知られるヒロイン。初代ではジェイミー・リー・カーティスが演じ、続編ではマイケルとの因縁や家族関係が重要なテーマになる(続編によって描写が異なる)。

シリーズの展開と特徴

シリーズはオリジナル(1978)以降、多数の続編、リブート、リメイクが制作されてきた。1981年の『ハロウィンII』は前作の直後を描き(以後の続編で時間軸や設定が分岐する)、その後も1980年代〜90年代の続編群、1998年の『ハロウィン』(H20、別ライン)、2007年のロブ・ゾンビによるリメイクとその続編、さらに2018年にデビッド・ゴードン・グリーン監督による“オリジナルの直接の続編”を冠した新三部作(2018年、2021年、2022年)など、複数の系譜が並行して存在する。シリーズの中で唯一、マイケルやルーミスと無関係で独立した物語になっているのが、異色作のハロウィンIII/魔女の季節で、当時はシリーズのアンソロジー化を試みた作品である。

文化的影響

『ハロウィン』シリーズはスラッシャー映画の定型を確立し、多くのフォロワーに影響を与えた。白いマスク、静かに追う殺人者、ハロウィンの夜を舞台にした恐怖演出などがポピュラー文化に定着している。興行的にも成功を収め、グッズ、コスチューム、パロディ、研究対象としても広く取り上げられている。

主な作品(代表例)

  • ハロウィン(1978) — ジョン・カーペンター監督、原点となった作品。
  • ハロウィンII(1981) — 前作の直接の続編。ローリーとマイケルの関係が深まる。
  • ハロウィンIII/魔女の季節(1982) — マイケル不在のオフシリーズ作。
  • ハロウィン4~5~6(1988〜1995) — 80〜90年代の続編群。
  • ハロウィン H20(1998)/レザレクション(2002) — 別の時間軸で展開。
  • ハロウィン(2007)/ハロウィンII(2009) — ロブ・ゾンビによるリメイクと続編。
  • ハロウィン(2018)/ハロウィンKILLS(2021)/ハロウィンENDS(2022) — 1978年版の直接続編として位置づけられた三部作。

小説化と派生作品

各映画を題材とした小説も多数刊行されており、その多くはデニス・エチソンがはじめとする作家たちによって手がけられた。ノベライズやコミック、ゲームなどのメディアミックス展開も行われ、映画以外の形でもシリーズの世界観が拡張されている。

シリーズは複数の時間軸やリブートを含むため、作品ごとに設定や人物関係が異なる点に注意が必要だが、いずれのバージョンでもマイケル・マイヤーズはホラー映画史上に残る代表的な悪役として位置づけられている。